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第2話 ページ3

煎れたてのコーヒーが入ったマグを持って、玄樹が歩いていく勇太の部屋。その対角線上にリビングを挟んで紫耀の部屋はある。玄関から入って左側の3つが、優太、玄樹、勇太の順。右手入口から奥へ向かって、紫耀、廉、海人。
 各々の年齢順としか思えない配置を、勇太は【最高の布陣】と微妙に表現したのだけれど。
「あれ、なんか……また」
 洗面の鏡に映る目が、赤く思えた。睡眠不足の充血ではなくて、眼そのものが。
「なんや、まだ着替えてへんの?」
 リビングに戻ると、部屋から出てきていた廉が言った。今日、ここで送迎待ちなのは4人。優太と海人はロケで、現場から直行の予定だ。
「なぁ、ちょっと見て」
 そのまま、廉の隣に座り目を合わせる。
「なんや、えらい近いな」
「俺の目、赤くね?」
「まぁ、そうかな。けど、光の加減とかやろ。ウサギは玄樹の専売特許やし、紫耀はアカン」
「んなこと狙ってねーし!」
「狙われても困るわ。バリバリ違和感やん」
「……何やってんの、二人とも」
 と、どこか呆れた声がした。手にしたマグから香りがしない所を見ると、勇太もなんとか起きたのだろう。玄樹と違い、部屋からは出てきていないが。
「おはようさん。なんや目ぇ見て言われてな」
「そうなんだ。チューでもするのかと思った」
「違っ、違うから!」
 ケラケラと笑ってキッチンへ消えようとする玄樹を追って行くと、それこそ目に刺さりそうな勢いで指を指される。
「さっさと支度して!」
「……はい……」
 変に誤解されたくなかっただけなのに、と。うなだれて引き返す肩に、かかる指。
「うん、ちょっと赤く見えるね」
 いつから、聞いていたのだろう。
「でも、大丈夫だよ?紫耀は、紫耀だから」
 見下ろした肩口の、ホクロが目について。
「玄樹、あのさ」
 言いかけた言葉は、あわただしく閉まるドアの音に掻き消されて。
「え、みんなもう出れる感じなの?」
「俺と玄樹は大丈夫やけど?」
 リビングでは、廉とやり取りした勇太が洗面所へ飛び込む気配がする。
「ほら、紫耀も早く。遅刻しちゃう」
 ぐいぐい、と背中を押して促す手は。やはりどこか熱っぽく感じられた。その、本当の理由にはまだ気付かないままに。

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作者名:黒那智 | 作成日時:2019年9月22日 16時

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