心が海になる ページ29
ひらいわ編と、じぐいわ編で書きたかったのですが現状では中途半端な仕上がりになりそうなので、今回はひらいわ編で例の目撃情報を。
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気を付けては、いたのだけれど。目ざとい人に見つかってしまって。かろうじて飛び込んだ録音スタジオでの説明は、案の定彼らをざわつかせてしまった。
「いっそ女装でもすればバレなかったかなあ」
「逆にダメ。心配しすぎで死にそうになる」
「別の意味でね」
今は、メンバーそれぞれ別行動も多く事務所の人間も全てをカバーできない。それを知っているからこそ、一人で行動したのだけれど。
「帰りが心配やなあ」
この後。マネージャーは、廉と勇太の映画で番宣に同行する。連れ回しでもしたらなおさら情報が拡散してしまうのが目に見えていた。
「海人は?」
「出版社で打ち合わせ。岸くん、空いてる？」
「バラエティーの収録なんだわ、これが」
「……あの、大丈夫だから」
一人でも、と玄樹が言いかけた時。
「俺が送ってく。車で来てるし」
最後に戻ってきた、紫耀が言った。
「でも」
「いいから」
直後のスケジュールはないとしても、誰より忙しいはずなのに。有無を言わさず手を引く、その力に逆らえない。振り向きざま、他のメンバーへの挨拶もそこそこに部屋を出て。
「……怒ってる？」
紫耀の眼差しは、いつも優しくて。なのに、今は振り返りもせず歩いていく。けれど。
「怒ってる。自分に」
吐き捨てるような言葉の後。灯りの射さない無人の部屋へ滑り込み、抱き締められた。鼓動がそのまま伝わる強さで。なのに、こぼれ落ちる声は泣き出しそうに細く……弱く。
「……行くな」
「紫耀？」
「もう、どこへも行くなよ」
できる手は尽くして。どんな無理も覚悟しているけれど。生まれて初めて吸い込む空気が、生涯吐き出されず胸に残るように。同じように思っていた存在が、そばにいないことが。陸にいても、溺れそうに苦しいなんて。
「……大丈夫だから」
ようやく緩くなった腕から、手を伸ばす。
「紫耀が、みんなが守ってくれてる場所だよ」
懐かしく思える、黒髪を優しくかき回して。
「ムダになんか、しない」
少しだけ、背伸びをする。支えてくれる腕の中で。未来を誓う、キスを返した。
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さくら - はじめまして。読ませていただきました。ご本人様達とは関係はないですよね？ (6月13日 12時) (
レス) @page18 id: a57f5c49bf (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - アリスさん» こんばんは、コメントありがとうございます★ゲームもどき文化祭が一区切りついたら、おばちゃんネタは私も好きなのでそれも良いかな(笑)。移転目前ですが、２でもよろしくなのです(^-^)/ (2019年10月21日 1時) (レス) id: bd09ac7e96 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - どれも好きな作品ばかりですし、次のお話のネタ達も楽しみですが、またしても掃除婦が気になってます(笑)こればかり言ってますね(笑)よければまたお願いします( *´艸｀) (2019年10月20日 23時) (レス) id: bb1ea8dca7 (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - もっちさん» コメントレスありがとうございます(^-^)/掃除のおばちゃんネタはノリで始めたのですが(笑)意外とご好評いただいてます。そろそろお話が満杯なので、移行先でもよろしくお願いします★ (2019年10月14日 12時) (レス) id: bd09ac7e96 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - お返事をありがとうございます。脳内で実写化して楽しみます。実は掃除婦は見たがすごくツボで大好きなので、またお時間あれば続きをお願いします♪ (2019年10月14日 11時) (レス) id: 32e719aafe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒那智 | 作成日時：2019年2月3日 22時
