Ⅰ.秘密の７人目【東海オンエア】 (ページ25)

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自分プレゼン大会前日ページ25

Side--me

ピーンポーン、と玄関チャイムが遠くの方で聞こえる。他人事のように微睡んでいたが、然し、この家に今は自分しかいない。

慌てて飛び上がったと同時に、キャッと女の声が響いた。ドアを開けた先に居たのはノックをしようとしていた黨の立った女性。

「あ！今てつやさんと仰るお客様がお出でです。」

「ははは、ありがとうございます。」

だと思ったよ。と、寝癖のついた髪を手で梳きながら階段を降りる。

何度後ろにやっても前に落ちてくる前髪がそろそろ鬱陶しい。然し切ると汗でヘバついて鬱陶しいのだから、ややこしいなぁとどうでもいいことを考えながら、玄関の鍵を開けた。

「A！！おはよう！！」

「おはよう、てっちゃん。
早すぎじゃない？約束の時間まだやけど。」

「Aに早く会いたかったから！」

「どの口が言っとるげ。
まぁいいや、入って。」

戸を開けてスリッパを放って、顎でそれを指す。すると、彼は私の顔をじっと見てふにゃりと笑った。

「Aの眼鏡姿めっちゃ懐かしい。」

「恥ずかしいから見やんで。
顔も洗ってないし、歯も磨いてないげえ！

とりあえず私の部屋に行っといて。」

慣れたように頷いたてつやは、パカリパカリと音をたてて階段を登っていった。ペタペタという裸足特有の音が聞こえなくてよかった。