51話 ページ10
《ユキノ 視点》
「母さん！！」
乱暴に戸が開かれ、フウリが叫びながら駆けてきた。同じようにして、ミズキも。
フウリ「どうなってんだよ！ ――その怪我！」
ミズキ「姉ちゃんは…！？ 姉ちゃんなら、まだ治せるよね！？」
ユキノ「Aは来ないわ。洗濯に行っているもの。…それに、この傷は治らない」
このままいけば、私に残された時間は、もう５分もない。
ユキノ「２人共。……最後だから、母さんの話を聞いてくれないかしら」
シオンのときのように、フウリはひどい顔をしている。反対にミズキは冷静そうに見えた。
こんな状況で、苦しくも楽しかったあの頃の記憶が、ふわりと蘇る。
……走馬灯かな。
――あの人は、あちこちから術を集めてくるのが好きだった。
役に立つとか立たないとか……そういうことは、彼にとって二の次だった。
でも、そのせいで、他族からのスパイだという疑惑が余計に強まり、収拾がつかなくなってしまったのだ。
ユキノ「こんな世の中で、好きな人と結ばれて、あなたたちが生まれてきてくれて。……母さんは本当に、好き放題やってこられたの」
だけどもちろん、後悔だって たくさんしている。
ユキノ「…ただ、１つだけ、心残りね。
――あなたたちに、辛い思いをさせてしまった」
父上やコギク、そして友にも、重い荷を背負わせてしまった。
優しいあの人にも、迷惑をかけてばかりだった。
……前に、フウリに『どうして母さんはいつも平然としていられるのか』と言われたが。
違う。
私はね、あの人がいない世界では涙も流すことができないほど、弱いの。
今さら、ごめんなさいもありがとうも、この子たちにとっては、信憑性が薄いかもしれない。
むしろ、そんなことを言ったところで、また重荷になるのではないか。
それが、……どうしようもないくらい、こわい。
ユキノ「だから、みんなに伝えておくね。私は、やらかしてばかりだったけど、それでも。成功か失敗かは置いておいて、
――ちゃんと、生き方は選べるわ」
これが、生涯を通して証明できたことだった。
ユキノ「大切なもののために、迷って、選んで。あなたたちは、母さんとは違う。ちゃんと強い。だから、あなたたちの好きなように、生きて」
嗚呼。……もう、取り繕えるチャクラもない。
体力は、とうに限界を超えていた。
．
．
．
抗うほど、鎖はきつく絡みついて、
――ついには、身動きも取れない。
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黒渦クレナ(プロフ) - 星猫さん» わわわ、お声がけくださり恐縮です…！ ですが…私生活が忙しく、占ツクすら一切開かない時期もあるので、星猫さまにご迷惑をおかけする未来しか見えず…。合作の件は、お断りさせていただきます。 (2021年3月21日 8時) (
レス) id: c6d10be035 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 一緒に合作しませんか？ (2021年3月20日 21時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
黒渦クレナ(プロフ) - 星猫さん» (→)コメントありがとうございました！ (2021年3月20日 10時) (レス) id: c6d10be035 (このIDを非表示/違反報告)
黒渦クレナ(プロフ) - 星猫さん» NARUTO含め、ジャンプ作は結構見てますよ〜。最近は 怪物事変やDr.STONE等にハマってますね…！ カードゲームアニメも好きです。春から始まる86-ｴｲﾃｨｼｯｸｽ-のために生きてます笑。他にも色々知ってる気がするんですが…すぐに思い出せたのはこれくらいです！(→) (2021年3月20日 10時) (レス) id: c6d10be035 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月20日 9時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒渦クレナ | 作成日時：2019年5月4日 13時
