【w.r.w.r.d.!】Mi sta cercando (ページ26)

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▼海から見た世界:kizk ページ26

『へぇー、海賊』

ふと、家の前に見慣れない海賊船があった
うちの森の近くにもいる緑の爆弾モンスターに似た旗を掲げた船
でもその船は、ボロボロで、恐らく沈没してしまうだろうとそこらの大工みたいに詳しくない私でもわかった

『近くで起こった嵐にでも巻き込まれたのかな』

でも、残念ながら違ったらしい
潮の風に乗って流れてきた香りは鉄錆びた臭い
……死体でも転がってたら家の前にあるのは嫌だな

一応確認しよ

そう思って、家に荷物を置いて、ナイフを隠し持ってから船の周りを散策
といってもそれ程大きい船ではない

本当に少数海賊なのだろう
10人程乗っているのかわからないくらい小さめの船
にしてでも漁船とは違う

『邪魔するでー……』

なんとなぁくそんな独り言を零しながら怖さの緩和
そんなつもりで踏み入れた時

ピタリと、動きが止まった

あぁ、これ……

すると喉に冷たい感覚
口を押さえ込まれる

掠れた低い声が尋ねてきた

「邪魔するなら帰って」

『っ……』

ニット帽をかぶったその人は、鋭い目付きでそう言ったかと思えば、私を下ろそうとした

『はいよー、とは言えないんだって
なんでそれ知ってるのさ』

「はよ降りろや」

『あんた……この島の人間？』

「は？」

『その言葉遣い、この島だけだよ』

すると、彼は船内に駆け込んで行った
甲板に残された私は1人呆然と見ていたのだけど

すると、奥から頭に包帯を巻いた金髪の男性が出てきた
一瞬こちらを鋭い目でまた見るのだけど、ニット帽の人に何か言われると
結構通る声で喜び始めた

出身の島なのかな、やっぱり

すると、折れかかったマスト
その上からもう1人緑色のパーカーを着た人が降りてきた

「ここさ、我々の出身地なんやけど……」

その話を聞いていて思った
彼らは、王邸に捨てられ島流しにあったらしい
それはただ人民増加を避けると同時に戦力をなくす、更に己の侍らせる者共をつけたいがために

だから、海賊として出向いて、そういう国だけを滅ぼしてきていたらしい

でも……

『ゾムと、コネシマと、シャオロン？』

私はおそらく彼等を知っている