【w.r.w.r.d.!】Mi sta cercando (ページ23)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:24,456 hit

▽ ページ23

メッセージも、既読すらもつかなくなったAとのトークをぼんやりと見つめる。

今日こそは、既読だけでもついているかもしれん。
そんな淡い希望を持って開いたトーク。しかし実際は何も変わっていなかった。そう、何も変わっていない。俺がAに向けて打った文で最後は途切れていて。その最後の文は既読すらついていない。

嗚呼、今日もまた。

”今までありがとうございました。さようなら”

そう画面に映る短い文が、ただ強く強く、俺の心に爪痕を残す。

俺はAのことが好きだった。最初は確かに気に食わないことも多かった、けれどだんだんアイツに惹かれていって。いつの間にか好きになっていた。

まぁ自分でも何言ってんだと思うんやけど、まぁまぁ仲も良かったと思う。結構喋る機会も多かったしなぁ。だから余計にアイツに惹かれていって。

もっと一緒に居たい、出来ることなら付き合いたい。けれどもし告白して今よりも関係が悪化したら。そう思うと告白する勇気が出なかった。

今思えば、そんな弱気にならずにもっとガンガン攻めていけば良かったと後悔しかない。あの時、俺が告白していたんやったら。今の状況から何かが変わっていたのかもしれん。そう思うと深い自責の念に囚われてしまう。

なぁ、A。

もし俺が告白していたんやったら、俺の前から消えることは無かったんか？

まだ、俺の近くに居てくれてたんか？

もう、俺の目の前に現れることは無いだろう、突然消えてしまったAに思わずそんな質問をしてしまう。答えてくれる彼女は、もうどこにも居ないというのに。

そんな事実が、俺は苦しかった。辛かった。

だから。

俺は今日もまた都合の良い夢を望む。

夢の中だったら俺の前から消えていくことなんて無いから。

ずっと一緒に居れるから。

言えなかったことも、何もかも、夢の中だったら出来てしまうだろう。

だから。

だから俺は今日もまた、大好きな彼女と共に居れる、そんな夢に溺れていく。

＿それが偽りであると、理解していても。