【w.r.w.r.d.!】Mi sta cercando (ページ15)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:24,464 hit

▽嘘で囲めばほら完璧:syp ページ15

ショッピside

A先輩。

俺の可愛い先輩であり、そして俺の初恋の人。俺にとって彼女は特別な人であり、今一番大事な人。俺にとっては居なくては生きていけない、そんな存在。

けれどそんな彼女は俺ではなく、ゾムさんに恋している。

確かそのことを知ったのはもう半年前のことだったと思う。

半年前、いいや出会った時に一目惚れしてからずっとA先輩一筋だった俺は彼女にそう相談されてとてつもなくショックを受けた。ゾムさんに負けたのだ、そう思うと苛立たしくて少し塞ぎ込んだ時期もあった。何で俺ではないんだろうと何度思ったことか。俺ならA先輩を幸せにすることが出来るのに。そううじうじと考えていても時間は待ってはくれなくて。

もうこんなに時間が経ってしまった。
今でも先輩はゾムさんのことが好きで。先輩は時にはずっとゾムさんを見続けている日もあれば、ゾムさんと喋っていた時は顔を真っ赤にしていた時もあった。そんな風にゾムさんはA先輩に特別視されているのに。
なのに俺はただの後輩にしか見られていない。

そう、先輩にとって俺はただの後輩。好きな人では無い。その事実がなんとも憎くて、腹立たしかった。

最近新たに気づいたことがある。

それは、ゾムさんもA先輩のことが好きだということ。これは俺のゾムさんの行動から判断したことだから本人からそう聞いた訳では無いのでもしかしたら違うのかもしれないが。いや、違ってほしい。

そう、最近ゾムさんもA先輩と話す時に少し耳を赤くさせ、先輩に呼び掛けられると嬉しそうに笑うのだ。その様子はまるで恋する男の子だった。

そのことに気づきたくなかった。だって俺の好きな人が他の人と両思いだなんて考えただけで反吐が出る。俺はA先輩のことをずっと前から好きなのに。
何で後から来たゾムさんのことを好きになってしまったんすか。

心に溜まっていくのは醜い嫉妬ばかり。

彼女が欲しくて堪らなくて。俺のモノになってくれない彼女を心から欲しい、そうずっと思ってきた。
けれど彼女に嫌われたくなかったから。行動に移すことはなかったけれど。

もう、我慢の限界だ。

だからゾムさん、A先輩、奪ってええですよね。