仰せのままに、国王様。 ページ26
私はあの時中佐だった。
子供の時から必死で戦いの練習をしていて、実力で中佐まで這い上がった。
女の中佐というのは珍しくて、皆からは尊敬の眼差しを向けられていた。
そんな時だった。
入隊試験で、腕のいい女兵士が入ってきたと小耳に挟んだ。
なんでも、『戦争を体験していないにも関わらず少尉を倒した期待の新人』らしい。
私とは別の部隊に入ったので詳しくはわからないが、かなり強いらしく、あっと言う間に私と同じ、いや、私より上の位になってしまった。
これじゃ私の職が奪われてしまう。
あいつは暗殺部隊に入っていた。
将官に的確なアドバイスを言い、それを実行して戦争はすぐに終わる。
私達の部隊、特攻部隊の出る幕は減っていくばかり。
「戦争にでたこともないくせに。現場の怖さを知らないくせに威張るなよ。」
私はボソッと呟く。
・・・そうだ。あいつを殺してしまえばいいんだ。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」って言うじゃないか。
あいつは「過ぎ」ている。
あいつはバケモノだ。
行動パターンを全て読んで。
気づいたら後ろにいて。
気づいたら負けている。
そんな戦い方をする奴だった。
そんなバケモノはいらない。
この世にいてはいけないのだ。
私は思った。
自分の部隊からあいつに不満を持っているものを集めた。
国王様に自分とあいつを一緒に行動させるよう助言した。
次の戦争では私の部隊とあいつを合同で行動させろ、と国王様は言った。
次の戦争は二週間後。
それまでに準備を整えなければ。
バケモノを殺す準備を。
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日高ナツメ(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます!!お褒めの言葉をいただきとても嬉しいです。続編・・・が、頑張ります。 (2019年12月14日 16時) (レス) id: 661788b92d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 完結おめでとうございます とっても面白かったです 続編楽しみにしています 頑張って下さい(・w・) (2019年12月14日 13時) (レス) id: 3a1e97a875 (このIDを非表示/違反報告)
日高ナツメ(プロフ) - 鈴114514号さん» ありがとうございます!了解しました。今書いていますので少々お待ちください! (2019年11月30日 23時) (レス) id: e00371fa87 (このIDを非表示/違反報告)
鈴114514号 - 楽しく読ませてもらいました!ありがとうございます。 私は4、この後のお話などがやっぱり見たいです! ナツメさんの都合でよろしいです。てかナツメさんが決めて下さい(( 応援しています!!!(爆音) (2019年11月30日 22時) (レス) id: 582bb38728 (このIDを非表示/違反報告)
日高ナツメ(プロフ) - きららさん» コメントありがとうございます。了解です! (2019年11月27日 21時) (レス) id: a414d96f78 (このIDを非表示/違反報告)
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