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旅行.5 ページ31

さっき、中原君と目があってしまい、心臓が跳ねたのを感じた。


………感じてしまった。

太宰くんのふわふわの髪を撫でながら顔を顰める。
「‥‥Aちゃん?一寸力入ってる?」

『!! あ、ごめんね』


………、恋なんて、この黒社会では‥‥するだけ辛いと言うのに。
結局私も、中原君も、黒社会(此方)の住人だから。

もう平気かな、私はドライヤーを止めて太宰くんの髪を梳かす。


‥‥癖強‥‥めっちゃ梳かし難い。



『‥‥ん、もう良いよ』

「ありがとう、Aちゃん。」

太宰君は私の方を振り返って「ふふ、」と声を上げた。
「随分参ってる感じかい?」

『‥‥‥、嗚呼、そうだよ君の所為だ』

「君を参らせてるのは私じゃなくて中也(帽子)でしょ?私の所為じゃないよ」

『嘘つけ、一寸邪魔してる癖に。』

「邪魔なんてしていないさ、只Aちゃんが可愛いからね。」


太宰君は私に手を伸ばし私の後頭部にそっと手を当てて、耳元で囁いた。



「中也には勿体ない……ってね。」



太宰君は手を放して至近距離で私の目を見つめた。
「私は簡単に、妹の様に見てきたAちゃんを渡したりなんてしないのさ。」

ニコっと端正な顔で笑ってから森さんや姉さんの酒の席に混ざっていった。



「『‥‥‥‥』」
中原君と視線が交わる。

お互いが逸らさないまま数十秒、先に逸らしたのは向こう。


森さんから声が掛かる。
「Aちゃん、エリスちゃんを寝かしつけてくれないかい?」

『‥‥ええ、』
私は既にうつらうつらしているエリスを抱き上げ、『縁側借りるね、』と声を掛けて出た。

掛け布団を掛け、背中を擦って待つ。

「A‥‥」

『ん?如何したの?』



「Aは‥‥



チューヤの事好きなの?」
『えっ』



「好きなの?言っとくけど、言ってくれなきゃ寝ないわよ。」




マジっすか、








『………、い、言っちゃ駄目だよ。エリス。』

「勿論よ!」







『‥好き‥‥だ、よ』

「伝えたら良いじゃない!私も手伝うわよ?」


『‥‥そんな事、出来ないさ。』



「如何して?チューヤもAが好きなのは分かり切った事じゃない。」
『‥‥やっぱり、私は怖がりだからね。
そんな事を言って、嫌われる勇気は‥‥無い、んだ。


ごめんね、エリス。』

エリスの考え。→←旅行.4



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ましまろ(プロフ) - 駄作上手さん» すみませんありがとうございます……!!!!!!!私も楽しかったです!!! (2023年2月12日 13時) (レス) id: b1e5bc5dab (このIDを非表示/違反報告)
駄作上手 - ましまろさん» ましまろさん‥すみません!!!とっても楽しかったし!見ててにやっとするトークを消させて頂きました!(あ、作者はスクショしてます)チャット‥禁止なので‥(あれはチャットだったのかな‥?) (2023年2月12日 1時) (レス) id: d00a338de4 (このIDを非表示/違反報告)
ましまろ(プロフ) - ……(名前を)呼ばれちまった喜びにッッッ……(遺言) (2023年1月23日 7時) (レス) id: b1e5bc5dab (このIDを非表示/違反報告)
駄作上手 - 陵香さん» な、名前は‥‥呼ばれているのでは‥?すみません、解説お願いします!理解したらすぐ書くんで!!王様ゲームの方は承りました!!最高なんて‥照れちゃいます((きもっ)ありがとうございます!嬉しいです!! (2023年1月23日 1時) (レス) id: d00a338de4 (このIDを非表示/違反報告)
陵香 - あ“ー最高。、、、 皆に王様ゲームとか 名前呼ばれだぁ”ぁ"ぁ"ぃ"! 闇太宰さん好きだ、、(((急な告白許してチョッ (2023年1月22日 23時) (レス) @page42 id: b523133505 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:駄作上手 | 作成日時:2022年12月19日 19時

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