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途中退場？ちっさいのって、誰のことだろう。
飛雄くんのメールにそれらしきことは書かれていない。きっと彼のことだから、それを負けた理由だと思っていないし、あえてこのメールに書く必要がないと思っているのだろう。
でも、だからこそ確信が持てた。多分、途中退場したのは、日向くんだ。
「……」
勝負の世界は、残酷だ。たった1度の、約1時間ほどの時間で、例えどんな理由であろうと必ず勝敗が決まる。
例えその試合がメンバー最後の試合であっても、どんなに想いが込められていても。
結果が覆ることはなく、受け入れるしかない。
「A集合！ホテル戻るって！」
「あ、うん！」
声をかけられ、思考は強制的に止められた。慌ててカメラを抱え直し、迎えに来てくれたチームメイトを追いかける。
なんてメールをすべきか、宿に行きたい、けど行ったところで何を言うのか、ぐるぐる考える。
考えたところで正解は見えず、同時に、考える暇が十分にある訳でもない。
何も答えが出ないまま、どんどん日は落ちていった。
「……」
ホテルに戻って、やっとの自由時間。
昨日はすぐに自主練に向かったけど、今日は外に出たところで携帯を開いた。
未だメールの返信はできていない。なにか、返さなきゃ行けないとは思っているのに。
やっとできた考える時間。でもやっぱり答えはすぐには見つからず、返信画面を眺めたまま指は動かなかった。
その時、
「わっ！？」
携帯が着信を知らせた。
着信画面には、「清水先輩」と書かれていてさらに驚く。何事だろう、なんて言おう、何が何で何を……完全にパニックだ。
あわあわとしながら、ただ出ないという選択肢もなく、私は勢いのまま通話ボタンを押した。
「はい、もしもしっ」
「あ、Aちゃん？清水だけど、今大丈夫？」
清水先輩の声色はいつも通りで、強ばっていた肩の力が少しだけ抜けた。
先輩の問に大丈夫です。と答える。
吐く息が白い。ここからでも烏野の皆がいる宿舎の明かりが見えて、今何をしているのだろうと思いを馳せた。
「よかった。新山女子も自由時間あるの？」
「あ、はい！あります。今も自由時間です。」
「そうなんだ。難しいのは百も承知なんだけど、宿舎で一緒にご飯食べない？」
ひと呼吸おいて、
「えっ？」
と素っ頓狂な声が出た。
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しおり(プロフ) - りんさん» ありがとうございます！ネタ考えます🤔 (2022年11月30日 8時) (
レス) id: 0e2f0640dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - マジで面白いです！いつも楽しみの更新待ってます (2022年11月27日 20時) (レス) id: e34fa82e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおり | 作者ホームページ：http://nanos.jp/amakusa40/
作成日時：2022年10月10日 21時
