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『……春高でも、いつもみたく音駒が烏野こてんぱんにするとこ、見せたかったのになー！』
と、やっぱり明るい声色のリエーフくんは、多分、明日の試合の結果次第で実現するゴミ捨て場の決戦の話をしているのだろう。
「烏野は負けないよ。」
『いーや！音駒が勝つ！』
烏野だ、音駒だと終わりのない言い合いをして、耐えきれずに私が笑ってしまったのをキッカケにお互い口を噤む。
「とにかく、まずは明日、頑張ってね。」
『応援来いよ！』
「うん。時間合ったら行くよ。
音駒の皆さんにも、よろしく伝えておいてね。」
『Aがよろしくって言ってます！』
やっぱりスピーカーにしていたようで、遠くから皆の返事が聞こえる。
それを合図に、じゃあね、と言って電話を切った。
「……」
烏野と音駒。戦ってほしい気持ちと、戦って欲しくない気持ちが入り乱れていた。
戦ってしまえば、どちらかが先に進み、どちらかが最後の試合になる。その瞬間を、見たくないと思ってしまった。
それでもきっと、当の選手たちは、決戦の瞬間を今か今かと待ち構えているのだろう。外野がなんと思おうと。
「(とはいえ、まずは明日か……)」
明日勝たないと、そもそも試合は実現しない。
烏野は明日、インハイ準優勝の稲荷崎と戦うんだ。油断は絶対にできない。
それでも不思議と、わくわくしている自分がいた。周りは稲荷崎が勝つと思っているのだろう。
白鳥沢の時もそうだ。でも、烏野が勝った。
「(今日もきっと……いや、絶対に……！)」
烏野が勝つ。どんな相手だろうと。
自然と、応援席の手すりを掴む手に力が入った。
2セット目、この試合は勝てると踏んだ稲荷崎がエースを温存。
飛雄くんのサーブから僅かに流れ始めた嫌な空気を締めるためか、選手交代でキャプテンが入った。
そして、ついてしまった点差を縮められることなく、試合は3セット目にもつれ込んだ。
＊＊＊＊＊
あと5つ
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しおり(プロフ) - りんさん» ありがとうございます！ネタ考えます🤔 (2022年11月30日 8時) (
レス) id: 0e2f0640dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - マジで面白いです！いつも楽しみの更新待ってます (2022年11月27日 20時) (レス) id: e34fa82e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおり | 作者ホームページ：http://nanos.jp/amakusa40/
作成日時：2022年10月10日 21時
