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「もしも……」
『メールの内容マジ!?なんで!?いつから!?』
昨夜。
飛雄くんと別れたあとホテルのロビーでリエーフくんに電話をかけ直した。部屋は相部屋だから、電話を終わらせてから戻ろうと考えた次第だ。
途端、元気いっぱい、声量大のリエーフくんの声が聞こえて苦笑する。
「11月末くらい、かな。」
社会人バレーに入っていたこと、合宿メンバーに選ばれたこと、編入を勧められたことを手短に話す。
どうやらリエーフくんは向こうでスピーカー設定にしているようで、少し遠くから夜久さんが「まぁそうなるよなー」と話しているのが聞こえた。
夜久さんは自主練の度に私の技術を評価してくれていた。その度に自信に繋がっていたから、本当に有難かった。
『じゃあもう合同合宿来ねぇの!?』
「うん」
『全然会えねぇじゃん!』
「回数は少なくなっちゃうけど、インハイとか春高とか……全国大会で会おう。」
『……』
今度は黒尾さんだろうか。「言われちゃったなーリエーフ」と茶化すような声が聞こえた。次いで、「意識高……」とどこか気だるげな研磨さんの声も。
リエーフくんが私を頼りにしてくれているのは、単純に嬉しかった。同い年だけど、なんだか可愛い弟のようで。
リエーフくんや音駒の皆に会えなくなるのは、正直なところやっぱり寂しいとは思う。
「……」
大きなホテルだからロビーも広くて綺麗だ。人の流れは途絶えることがない。その様子を眺めながら、改めて自分がありがたい環境に身を置いていると思った。
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しおり(プロフ) - りんさん» ありがとうございます!ネタ考えます🤔 (2022年11月30日 8時) (レス) id: 0e2f0640dd (このIDを非表示/違反報告)
りん - マジで面白いです!いつも楽しみの更新待ってます (2022年11月27日 20時) (レス) id: e34fa82e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しおり | 作者ホームページ:http://nanos.jp/amakusa40/
作成日時:2022年10月10日 21時