恋はやがて泡になる。【灰谷蘭】 (ページ12)

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12.返信ページ12

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竜胆「あれ、兄貴学校は？」

蘭「行かねー。」

竜胆「珍しい。最近行ってたのに。」

蘭「竜胆はもうちょっと行けよ。出席日数ヤバイだろ。」

竜胆「そうなんだよなー」

秋吉との連絡が途絶え、二週間が経つ。

俺は秋吉の家も知らなければ、家族構成も何もかも知らない。

誕生日、血液型、好きなもの、嫌いなもの

…俺は、アイツのことを何一つ知らなかったんだな。

竜胆「兄貴、オレ今日学校行くけど、行く？」

蘭「パス」

ふいに、こんなにも一人の女で頭を悩ませるのがバカバカしくなった。

秋吉の居ない元の日常に戻っただけだ。ただそれだけ。

俺は携帯を取り出し、たくさん登録されてある女の一人を名前も見ずに無作為に選びメールを送る。

【今日、〇×ホテル】

送ってすぐに携帯を閉じる。

ああ、クソみたいな気分だ。

携帯を置いてすぐに通知が鳴った。どうせ先ほどの女からの返信だろう。

チラリとそっちに視線を向けると、そこに表示されてある名前に俺は思わずもたれかかっていたソファから起き上がった。

蘭「おい竜胆」

竜胆「ん？」

蘭「今日、やっぱ学校行く。」

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【先輩、最近学校来てないですね？風邪ですか？】

それは、秋吉からのメールだった。