17 『復活速すぎ沸点低すぎ』 ページ17
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一方、少女は小屋を出た処だった──男性や子供達の遺体は後でどうにかできるし、あの化物がいつ復活するか分からなかったからだ。何にしても、少年の処へ行って、それから、
少女の思考はそこで止まった。止まらされた。
「っ……！」
少女は戦慄した。表情を驚愕に染め、奥歯をギリィと噛み締める。
化物が、若干ふらついた足ながらも、その二つの足でしっかりと立ったからだ。呻き声を発しながら、その血走った目で小屋を──少女の怯えた瞳を捉えた。
「よくもォ、小娘ェ……！ ぶち殺してやる！！」
「復活速過ぎだろ──が！！」
少女は全力で叫んだ。それも致し方ない、何せあいつに棒を直撃させてからおよそ二分ほどだ。いや、まぁたしかにもうちょっとしっかりした太い棒だったら良かったかもしれないけど。
そんなことある？ と少女は単純な動きで突撃してきた化物を紙一重で躱した。
……いやだってそんなことある？ と少女は右腕を庇いながら化物の動きを凝視した。二回目だったけど。もうとにかくふざけんな！ と叫び散らかしたい気分だ。心の中で三回くらい言ったけど。
少女にいとも容易く(かなりギリギリだったが)避けられた化物は「アアアアア"ア"！！ 小娘ェェェ！！ 殺す、殺す、ぶち殺す！！」と唾をそこら中に吐きながら叫んだ。
いや沸点低すぎやろー……、と少女は顔を顰めた。ばっちぃ。
「──ふっ」
少女は軽く息を吐いた。
キレた化物は単純な動きで襲い掛かって来た。少女はよく��視て��、化物の次の動作を予測して、必要最低限の動きで避け続けた。少女が一番最初に軽く息を吐いた時から、一度も瞬きすらせずに。
──正直言って、この少女の方がよっぽど化物である。
少女は知る由ないが、この��鬼��は通常の人間の何倍もの身体能力を有している。他の鬼よりも人間を喰らっている量も多く、鬼狩りを何人か葬ってさえいた。
それを、少女は己の身体能力と集中力だけでいなしてみせたのだ。普通の人間ではまずあり得ない──、というか、少年を逃がす間もなく二人ともあっさり殺されていただろう。
それを為し得たのは少女の才能だ。
この鬼さえ来なければ、一生芽吹くことが無かったであろう才能。
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白夜の世界(プロフ) - 内田さん» 応援ホントありがとう御座います……！皆様の心を動かせるような小説を書くために頑張ります！！ (2020年4月15日 17時) (
レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
内田(プロフ) - はじめて読ませていただきました！すごく面白くて、少女ちゃんの生い立ち、すごく感動しました。これからも応援させてください！ (2020年4月15日 16時) (レス) id: 2320622f76 (このIDを非表示/違反報告)
燐火 - 成程・・・。私の合作相手もそんな感じですよww (2020年4月14日 12時) (レス) id: 0a3e20f243 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 燐火さん» えぇ、合作はしない主義ですね。自分がパソコンにかじりついていられる時間が非常に不定期ということやその他諸々ありまして……。 (2020年4月12日 8時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
燐火 - 白夜の世界さんって合作とかしないんですか？ (2020年4月11日 16時) (レス) id: 0a3e20f243 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2020年3月28日 16時
