14 『アドレナリン効果』* ページ14
残酷表現注意。
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少女が何を行ったかと言えば、何のことはない。
まず最初、化物の爪を回避する為に前傾姿勢になる。それは次の行動の為の予備動作でもあった。爪を振りぬいた化物は、少女を一時視界から外した。
少女は思い切り踏み込む。その踏み込みに全ての力を籠める勢いで足を出した。
そして、跳んだ。
驚異的な跳躍力でもって、少女は化物の背後にあった小屋の��壁��へと、両足裏を密着させる。重力が横に向いているように、壁に屈む。
──ふぅ、と息を吐いて。
空に向けて跳躍。重力は少女を引っ張り、思い切り振り下ろした棒が化物の脳天に吸い込まれるように、
「うあああああああ！！」
──直撃。
少女は膝を曲げ、ばねのようにして衝撃を押し殺す。だが全ては相殺できず、びりびりと電流のような痺れが全身に走った。特に右半身は涙が出る程痛い。
化物は目を回してぶっ倒れていた。少しでも人間らしいなら、弱点は同じだろうと考えたのだが──ともかく、少しでも昏倒させることができたのは僥倖だ。
「はァ、はァッ……！
アドレナリンが出ていたおかげで痛みはさほど感じていなかった少女だが、戦いが終わった今はあまりの激痛にぽろぽろと涙が零れてくる。
継ぎ接ぎだらけの着流しのような着物には、遠目から見える程にじっとりと��赤��が滲んでいた。止血をしようにも、新しい布が無い。汚い布では化膿してしまう。
少女は頭を振った。後で考えよう。化物が気を失っている間に、あの人を──。
少女はがくがくと震える足に、顔を思い切り歪めた。動悸は未だ激しい。「ッぅ、」と思わず漏れた呻き声を必死に押し殺した。
──動け、動け。今動かなかったら、一生後悔する。
少女は痛みを押して進んだ。小屋の中はまだ温かい子供達の死体が散乱していて、ぐちゃぐちゃにされた死体や、恐怖に歪んだ顔、内臓が飛び出て、眼球が、裏返──
「うぇッ……！ おえ、げほ、ッうげぇっ……！？」
胃から込み上げてくるものに、今度は耐えきれず少女はそれを小屋の外に慌てて出てぶちまけた。えずきが止まらず、喉を押さえながら吐く。
何もかもが苦しかった。吐くものが無くなり、それでも吐き気は止まらず胃液を嘔吐した。
──ちくしょう、ちくしょう、チクショウッ！！
悔しくて、堪らなかった。
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白夜の世界(プロフ) - 内田さん» 応援ホントありがとう御座います……！皆様の心を動かせるような小説を書くために頑張ります！！ (2020年4月15日 17時) (
レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
内田(プロフ) - はじめて読ませていただきました！すごく面白くて、少女ちゃんの生い立ち、すごく感動しました。これからも応援させてください！ (2020年4月15日 16時) (レス) id: 2320622f76 (このIDを非表示/違反報告)
燐火 - 成程・・・。私の合作相手もそんな感じですよww (2020年4月14日 12時) (レス) id: 0a3e20f243 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - 燐火さん» えぇ、合作はしない主義ですね。自分がパソコンにかじりついていられる時間が非常に不定期ということやその他諸々ありまして……。 (2020年4月12日 8時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
燐火 - 白夜の世界さんって合作とかしないんですか？ (2020年4月11日 16時) (レス) id: 0a3e20f243 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2020年3月28日 16時
