2_1 万事屋銀ちゃん ページ21
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「さーがーるーくーん!あーそーぼー!!」
日向は朝っぱらから真選組の屯所へ遊びに来ていた。
門で警備をしている者もすんなりと道を開け、すれ違う隊士が口々にこの間の謝罪を述べる。
隊服の男達に頭を下げられる女性というのはなんとも奇妙な光景だが、彼女の地位は何故か平隊士よりも上のようだ。
「開けるよ、近藤さーん?」
いつものように局長部屋の前に来ると、彼女はそう断ってから襖をスパーン!と開ける。
「まだ返事してないよ、日向ちゃん?!」
全く予告の意味をなさない彼女の行動に、思わずツッコミを入れる勲。
そんな彼らの前には珍しく今日は3人の来客がいた。
「今は忙しい。さっさと帰れ。」
銀髪の正面に胡座をかいていた十四郎が彼女を横目でみると低い声で言う。
立派な成人男性の隊士でさえこの声音にはびびって従うのだが、
「なにこの子!めっちゃ可愛い!!」
日向に定石は当てはまらない。
色白のオレンジ髪の女の子を目ざとく見つけ、彼女はその子に駆け寄る。
「え、なになに!肌白〜い!!これ地毛?色綺麗だねー!!」
すっかり毒気を抜かれた十四郎に女の子の隣に座っていた銀髪が声をかけた。
「ちょっと、多串くん。この美少女はお宅らの子?」
どこが美少女だ。と悪態をつく十四郎。
「ソイツは夜兎でさァ」
その脇で退の運んできたお茶を啜る総悟。
「銀さんじゃないですけど、本当にどなたですか、沖田さん?」
そんな彼に問う眼鏡の少年。
「まぁ、みんな落ち着け。」
各々が言いたいことを言う中で、珍しく鶴の一声を発したのは勲だった。
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いぬ(プロフ) - 大好きです!いや、もう本当に好きです。日向ちゃんの性格が可愛すぎるっ!これからも頑張って下さい! (2020年12月17日 6時) (レス) id: daed22b7fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吉良 x他1人 | 作成日時:2015年1月9日 18時