28、黒い衝動 ページ29
「Aさんは関西の方なんですか？」
『せやでー』
私とたけみっちはバイクを走らせながら話していた。
「こっちではご家族と？」
『いや、1人暮らしやねん。親殺しかけたらこっちに金だけ出すから1人で住めって捨てられた笑』
「えっ」
そんなこと言いながら笑うとたけみっちは少し声を強張らせながら驚いていた。
『うちさ、人の事をなんとも思わず殺せちゃうんやなってそん時思ってん。まぁ、止められて殺されへんかったけど。』
「壮絶ですね…」
『そーかも。』
バイクを走らせていると目の前の信号が赤く光ったため止まる。
『まぁ…うちが人を殺さずに生きれてるんは雪とか皆んなのおかげやな。時々、襲う”黒い衝動”がうちを人間じゃなくすねん。』
「黒い衝動？」
『そうそう。なんか…こう…全てを壊したくなるような…止められない黒い気持ち。厨二病やないで！』
そう言いながら青くなった信号を見て走り出すA
『もし、うちがその衝動に負けた時はたけみっち、皆んなの事をうちから離して欲しい。』
「どうしてですか？」
『うちは、邪魔した奴を殺してまう。皆んなうちのことを止めようとしてくれる優しい人ばっかりやからさ…。分かるやろ？』
私はそういうと何も言葉を発せないたけみっちに言葉を続ける。
『私が人を殺した時は近づかないでね。雪でも止めれないと思うから。うちのことは捨ててな。』
自分で言いながら悲しくなるがしょうがない事だ。
その無言を肯定とみなしたうちはたけみっちの家までバイクを走らせた。
『ついたよ。』
そういうと浮かない顔をしたたけみっちはこう口を開いた。
「Aさんは…マイキー君のことどう思ってますか？」
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作者名：凛 | 作成日時：2021年9月24日 20時
