銀河最強の戦士と中立の戦士 (ページ6)

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いつもの集合場所に向かっていると、猛スピードで駆けてくる美奈子ちゃんが見えた。

必死な形相をちょっと怖いと思っていると、ガッと両肩を掴まれた。

｢行先変更！十番公園ね！
うさぎちゃんたちも連れて行くから、先行ってて！！」

｢え、う、うん。って、え！？」

勢いに押される形で頷いたものの、理由が全く分からない。だがそれを聞こうにも、美奈子ちゃんは既に走り去った後だ。

もうほとんど見えなくなった彼女の後姿。運動得意で羨ましいなどと、少し場違いなことを考えつつ、とりあえず言われた通りに行先を変更する。
でもこんな時間に公園って、何があるんだろう？

＿＿＿

公園は大勢の人で賑わっていた。そのほとんどが女性だ。

｢何これ？」

その原因を探るべく周囲を見わたすも、人が多すぎて何が起こっているのか全く見えない。どうしたものかと考えていると、うさぎちゃん達が走ってくるのが見えた。

｢くぁ～、遅れをとったか」

｢何、この騒ぎ！」

私同様、理由を聞かされずにここまで来たらしいうさぎちゃんも、人の多さに驚いていた。

｢スリーライツのドラマのロケがあるのよ！」

スリーライツ？

｢もしかして、ホームズ少年のＺファイル？」

｢うそーっ！私、あれ大好き！」

ホームズ少年のＺファイル？何かのドラマだろうか？

聞きなれない言葉に、私とうさぎちゃんはチンプンカンプンだ。

｢何それ？」

｢有名なの？その、何とかファイルって」

｢ホームズ少年のＺファイルよ！」

｢平均視聴率3.5％の超人気番組よ」

信じられないと言わんばかりのレイちゃんの横で、亜美ちゃんが頬を赤らめて説明してくれた。

｢それに、そのスリーライツっていうのが出てるの？」

｢そうよ！
生で見られる機会なんて滅多にないんだから、この機会に見なくっちゃ！」

やる気十分な美奈子ちゃんに続くように、私たちは最後尾でジャンプをしながら撮影を除くことになった。

｢あ！」

｢なになに？」

｢噴水の前の子、五木アリスちゃんよ」

｢あ、本当だ」

彼女のことは有名人に疎い私でも分かった。