弟なんか要らなかった ２【おそ松さん】

六十四松 ページ18

トド松side


兄さんの声は今まで一度も聞いたことがないような低い声で。そんな声に僕は立ち尽くしてしまった


『ふざけんなよ…、人の物を勝手に』


A兄さんはその日記を取って自分の鞄の中に入れる。見るからに不機嫌な表情をしているA兄さんは、僕を軽く睨みつけるとまた口を開いた


『読んだりしてねぇよな？』


トド「…なに？読まれちゃマズイ事でも書いてたの？」


正直に言うと僕は日記を全部読んだ。小さかった兄さんの心境とか、愚痴みたいな事とか、僕たちの悪口とか…いろんな事が書いてあった


『…ガキの頃に書いたやつだし 見られたくねぇんだよ』


A兄さんはそう言うとすぐにバックルームを出ていった。
見られたくない事が書いてあるなら ちゃんと持って行けばよかったのに、そこら辺はほんと抜けてるんだから……


＿＿＿ぼくばっかりガマンしないといけないからいやだ。でもガマンしたらほめてくれる。だからたくさんガマンする＿＿＿


前にスマホで撮っておいた 兄さんの日記の中で一番気になったページ。愚痴というか、まるで自分に言い聞かせているような文書だ
文字からしてこれを書いたのは小学一年生くらいだと思う。兄さんは 何でそんなに我慢してたんだろ……

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