弟なんか要らなかった ２【おそ松さん】

六十三松 ページ17

inバックルーム


エプロンを外して普段着に着替える。何故かトド松とはロッカーが隣で、特に話すこともなく無言だ


トド「ねえ、さっきのは何だったの？」


『さっきの？』


トド「僕のこと弟って言わなかったじゃん」


やっぱり気にしてたのか。でも昔と言ってる事が違うじゃねーか。昔は俺と兄弟ってことを嫌がってたって言うのに……
自分勝手にも程があるだろ


『俺は親切に他人のフリをしてやったんだ。お前の事だから、俺が兄だって知られるのは嫌だと思ってな』


トド「なっ、」


『昔は他人のフリしろって言ってたくせに、今度はちゃんと兄弟って言えってか？勝手すぎんだろ』


自分でも驚くくらいつらつらと言葉を並べる。昔の事を思い出したら苛々してくるんだ。昔は俺の事を嫌ってたくせに……


トド「勝手！？そっちこそ勝手じゃん！！あんなに酷い態度とってた癖して今更仲直りしたいとか、一番身勝手じゃん！！」


トド松は勢い任せに自分の鞄を机に叩きつけた。鞄のなかからはサイフとかスマホとか、いろんな物が出てきたけど、その中に俺がずっと探してた物が出てきた


『…これ、俺の日記じゃん』


すっかりボロボロになっているノートは、俺が小さい頃に書いていた最初の日記。俺の部屋に忘れたままだった物


『何でお前が持ってんだよ』

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