弟なんか要らなかった ２【おそ松さん】

六十二松 ページ16

仕事の時、俺はトド松を弟として接しない事にした。どうせトド松は俺の事を兄と思いたくないだろうし、それでいいと思った


『(なのに何だよ、あの辛そうな顔は……)』


兄弟かと聞かれて否定すればトド松は不機嫌な顔するし、ほんと訳わかんねぇよ


『いらっしゃいませー』


仕事をしながら時々トド松を見てみると、たまに険しい表情をしている。理由は知らないけど、どうにかしたいと思うのは可笑しいだろうか


『(まあ、あいつにとっては余計なお世話なんだろうな)』


昔からそうだ。弟たちが悩んでると気づけば、俺だって気付かれないように手を回して助けたり、弟を悪く言う奴らは締めてきた
でもそれが弟にバレると、「余計なことするな」って責められるんだ


『(今度カラ松か十四松に聞いてみよ)』


トド松の事だから 多分この険しい表情は家に帰っても変わらないだろう。そうすると優しい十四松やカラ松は声かけそうだし


「松野くん達、今日は二人共あがりだよ」


『「あ、はい」』


気がつけばもう午後の５時、まさかトド松とあがる時間が同じになってるとは思わなかったな
バックルームでのあの気まずい時間って苦手なんだよ…

六十三松→←六十一松

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す