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その3 ページ3

翌日、俺は康介に教えてもらった住所を頼りに、近藤の家へ向かった


「でけぇマンションだな、嫌味か」


そう呟いて一つ深呼吸をすると、ナーバスになっていた心がいくらかマシになった気がした


「よし」

「よしじゃねぇ、どこ行く」


背後からの聞き覚えのある声に、反射的に顔を顰める


振り返ると、案の定スラリと背の高い茶髪の男が辛気臭い顔で立っている


「久しぶり、近藤。なんか用か?」

「こっちの台詞だし。こんなところまで来てなんなのお前」


明らかに棘を含んだ物言い、こいつは出会った時からそうだ


「悠と話がしたい、お前の家にいるんだろ?」

「ああ、いるよ」


会わせてくれ、そう言うと、途端に男の目が釣り上がる


「それはできないな」

「はぁ?なんで」

「浮気するようなやつに、あの子を任せておけると思う?」


薄っすらと口元に笑みを浮かべた男の瞳に、言いようのない怒りのようなものが見て取れる。相変わらず、見かけによらずわかりやすい奴だ


「悠がお前に泣きついてきたのか?」

「いいや、俺から聞いた。あっちはなんでもないように振舞ってたけど、聞いたら意外とすんなり答えてくれたよ」


まぁ、そもそも何にもなかったら近藤の家になんて転がりこまない


他の男とは訳が違う、こいつは俺の恋人に想いを馳せていた人間の一人なのだから


ましてや、悠が俺と付き合っていると知った後もしつこく絡んできた諦めの悪い男だ。まだ未練があっても不思議じゃない。いや、てか絶対あるだろこいつ


「悠ちゃんの面倒は俺が見るから、下半身野郎はさっさと帰って女とよろしくやってろ」

「てめぇ……」


ハッと鼻で笑って、俺の横を通り過ぎようとする近藤の肩を掴んで引き止める


「会わせるまで帰らねぇからな」

「やめろ、警察呼ぶぞ」


帰れ、帰らない、クズ男、メンヘラ野郎、といった不毛なやり取りを続ける男二人を、道行く人は不審な顔で一瞥していく


すると突然、ポケットに入れておいた携帯の通知音が鳴った


「……悠だ」

「は!?」


そこに表示された名前に歓喜したのも束の間、その内容に、一瞬で地獄に叩き落されるような心地がした


「……プッ、アハハ!『帰れ』だって!」


思わず目の前の建物を仰ぐと、一人の男が、部屋の窓から此方を見下ろしているのがわかった。男は俺の視線に気付くと、そそくさと中に戻ってしまったが


「悠……」


久しく見る恋人の姿に、愛しさと罪悪感で押し潰される心地がした

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パパゴラス - コメント失礼します!めっちゃ好きなタイプですほんまにおもろいです。これからも頑張ってください!マジファンになっちゃぃましたぁぁ!!! (2020年5月17日 0時) (レス) id: 665c1b4e56 (このIDを非表示/違反報告)
sumiko(プロフ) - 早く、悠さんの生のご意見を聞きたいです。(≧◇≦) (2020年5月16日 19時) (レス) id: bbba9ad9a6 (このIDを非表示/違反報告)
七海 - なんだか、めっちゃ好きなんですけど…ww頑張ってください! (2020年5月16日 14時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
ひーと - 好き(唐突)頑張ってください!応援してます! (2020年5月12日 12時) (レス) id: c8f6957e50 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なんじゃらほいほい | 作成日時:2020年5月11日 18時

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