78話 ページ29
side玄弥
昔、姉ちゃんが長い間入院した。
母ちゃんに聞いても交通事故の一点張りで
でも、俺には
実弥｢…｣
触れない兄貴がどうしても気がかりだった。
実弥｢…結局、俺はアイツの息子なんだ……｣
常に絶望した顔でそう言ってた。
玄弥｢兄ちゃんとアイツは違うよ？｣
実弥｢…玄弥は優しいなァ。｣
そう力なく笑ってどこかフラフラと散歩する。
玄弥｢…姉ちゃんはまだ会っちゃダメ？｣
実弥｢…まだダメだ。｣
兄貴は俺や他の兄弟との面会を断っていた。
最初はごねたけど、
母ちゃんも一緒になって叱責された。
実弥(あの姿は玄弥には酷すぎる…)
姉ちゃんは元々病院に居ることが多かった。
病気じゃなくて怪我のせいで。
玄弥｢前はもっと早く帰ってきたんだよ。なんでダメなの？｣
実弥｢姉ちゃん頑張って治してるから我慢な。｣
俺の姉ちゃんなのに…
玄弥｢…アイツにまた殴られたの？｣
そう言うと兄貴はさらに絶望した顔で固まった。
何も言わずに俺の頭を撫でるだけ。
姉ちゃんは、誰よりも傷つけられていた。
姉ちゃんは俺達に降りかかる全てを守ろうとしては自分を蔑ろにしてきていた。
玄弥｢姉ちゃんに会いたい…｣
｢…もうすぐ会えるわ。さ、帰りましょ。｣
俺は、まだ小さい頃…姉ちゃんが目の前で冷たくなっていった事を覚えてる。
理由はアイツのせい。
アイツが賭博か何かで負けてその鬱憤を姉ちゃんに当たってきた。
本来だったら俺に当たるはずだったのに、
咄嗟に姉ちゃんが俺を抱きしめて
A『…玄弥、何処も痛くない？』
って言われて
玄弥｢う、うん……どこも痛くないよ…｣
そう言うと姉ちゃんは安心したかのように離れて倒れてしまった。
どうする事も出来ずに棒立ちしてると
｢…A？…A！玄弥！どうしたの！？｣
あともう少しで姉ちゃんは天国に逝くかもしれないこと。
そうなると二度と会えない事を
兄ちゃんに教えられた。
姉ちゃんは母ちゃんに似てだいぶ小さい。
中学に入れば、あっという間に背を越せた。
玄弥｢姉ちゃんは俺が守る。｣
A『あらあら。頼もしいですねぇ。』
あの時のお返しは一生かかっても返せない。
だって、俺はいつも貰ってばかり。
ずっと兄ちゃんと一緒に守るぐらいしか出来ないから…
玄弥｢…姉ちゃんを守るんだ…｣
眠る姉ちゃんを抱きしめて俺も眠る。
ウトウトしてる時にゴツゴツした手が俺を撫でて来た。
あったかい…
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小夜子@元ペテン師(プロフ) - かりんさん» ただいまリクエストの内容を考えながらリアル(現実)が少々忙しかったので……そのようなコメントを残して下さりありがとうございます。落ち着きましたら再開致します。 (2020年7月29日 12時) (
レス) id: 548ac281c0 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 更新停止...また更新してくれますか？？というかして欲しいです！ (2020年7月27日 16時) (レス) id: c30d21e2cb (このIDを非表示/違反報告)
小夜子@元ペテン師(プロフ) - らかさん» 了解です…！ (2020年5月27日 21時) (レス) id: 548ac281c0 (このIDを非表示/違反報告)
らか - ペテン師さんの好きにしていいですよ (2020年5月18日 8時) (レス) id: 0bcd5ff2c1 (このIDを非表示/違反報告)
小夜子@元ペテン師(プロフ) - らかさん» リクエストありがとうございます！記憶ありですかなしですか？ (2020年5月8日 23時) (レス) id: 548ac281c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペテン師 | 作成日時：2020年2月12日 19時
