【刀剣乱舞】僕らの主はとにかくおかしい。

1.お出迎え ページ2

NoSide



黒い雰囲気の本丸の前に、黒色の車が止まった。



「くれぐれも、油断しないようにしてくださいね！！」




車内から聞こえる声に、その男は楽しそうに頷く。




『勿論だよ。あ、ほらご覧。

ケサランパサランが飛んでるから大丈夫。』



それを聞いて、坂井という男は眉間に手を添えた。




「………安心出来ません……。」



『あ、タンポポの綿毛かもー。』



「だぁっ！！話聞いてくださいよ！」



母親のように怒る坂井に、男は手をふる。





『じゃあ行ってきまーす。』


「……幸運を祈ります。」





車が見えなくなるのを見つめながら、男は門を見上げる。







「主様ぁあああぁあ！！」


『ぅわあ、ビックリ。』





狐の小動物の声に、“主”と呼ばれた男は降参というように両手をあげる。






「主様ぁ、案内人のこんのすけでございます。」




『うんうん、案内人が縫いぐるみだったのはビックリだよ。』



「縫いぐるみではありませぬぞ、主様。」




『あ、そうなの？じゃあこんのすけ。


この本丸雰囲気悪いね。』





「分かります？

この本丸は他のブラック本丸とは違います。



気をつけて『じゃあ行こうか。』



話聞いてください。」





よいしょと話を聞かずに玄関を開ける主に、こんのすけは溜め息をついた。






玄関に入ろうとすると、刀がﾋﾟｯと主の頭の上に投げられる。






『わぁ、危ないねぇ。』




ひょいと避ける主に、こんのすけは目を見張った。




「主様！ご無事ですか？」




『全然大丈夫。


この本丸は面白いね。アスレチックみたい。』



けらけら笑う主に、こんのすけは楽しんでる場合じゃないだろ。と心の中で突っ込む。





「…おい、随分と余裕そうだなぁ。」




「本当に、余裕そうでつまらないよ。」




ニコッと笑う少年二人に、主もつられてニコリと笑う。









『お出迎えどうも有り難う。』

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