【ＢＬ】壊れた人形 (ページ5)

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僕はあの後、車に乗せられ家に連れて行かれた。

周りには人っ子一人いない小さな森のような場所に囲まれた所にあったのは、大きな一軒家。

そんな場所に建っていることに恐怖心を抱いた。
何か理由がある？そんな呑気なことを考えていると、青年が口を開いた。

「そういえば名前を言っていなかったね、俺は佐々木優。君は？」

青年は見た目的に年がそんなに変わらないはずなのに、
子供に接するように優しく腰を下ろして僕と顔を合わせる。

そんな青年の姿に自分は背が小さいかなと心配になってしまう。

同時に日本国の人なのがわかる。
日本国籍の人は優しいと主人が言っていた。

「僕は＿ドール……ドール・スミス。スペルはD.O.L.L・S.M.I.T.H」

ドールは主人が付けてくれた名前。スミスは主人のラストネーム。

主人から人に名前を教える時はそう名乗れと言われた。

「ドールか……名付け親はセンスが無いね。俺が改名してやろう」

そう言うと、顎に手をやり唸りだした。

正直に言うと、主人から付けてもらった名前だから少し悲しい。
でも今日からの主人は彼だから逆らえない。

「……Aなんでどう？」

彼が提案してきた名前は日本名。それはそうか日本国の人だから。

和名の意味はよくわからないけど、彼が唸り捻り出してくれた名前だから小さく頷く。

「それじゃあ、行こうか」

僕の頷きに答えるように僕にそう言って、手を差し出す。

その手を握ると一瞬彼の目がギラギラと嫌らしく光った。

気のせいと言い聞かせ、足を踏み出す。