聖ブリリアント学園にやって来たのは王子のような女王様でした【綾小路 葵】

Story27 ページ29

You side

貴『伝説の王子…と付き合う？』

伝説の王子…初代王子の現王丸修吾や、二代目王子の龍崎恭也のような奴と果音が？

葵「朱雀奏…勝負だ。伝説の王子になるのは…





この私だ」

まるで頭を鈍器で殴られたような感覚。

つまり…葵は果音の事が…

貴『葵』

葵「…Aか。どうした」

貴『…書類、出来たから。私は帰ることにするよ』

葵「あぁ、ご苦労だった…何だ、涙を流して。何かあったか？」

葵は私の頬に触れようとする。

貴『触るなっ!!((ﾊﾟﾝｯ』

私は思わず、葵の手を払ってしまった。

葵「何があったんだ、A。私には言えない事なのか？」

貴『葵が鈍感だって…知ってたつもりだったけど…ここまで鈍感だとは思わなかったな!!伝説の王子にでも何でもなればいいだろう!?』

葵「何が言いたい。何故、そんなに怒っているんだ」

貴『ﾊｯ…まだ分からない？その頭で少しは考えたら!?…葵なんて大っ嫌い。もう話しかけないで』

冷たく言い放ち、私はその場を後にした。





((ｺﾞｿｺﾞｿ

生徒会室に戻り、帰る支度をする。

笹塚「Aさん…」

貴『私、しばらく生徒会には来れそうにない。最低限の仕事はさせてもらうから…ガブリエル、頼んだぞ』

笹塚「はい…あの『もしかしたら…』はい」

貴『このまま…ずっと【雪宮Aとして】来る事はないかもしれん』

笹塚「それってどういう…」

貴『すまない。竜を待たせてあるんだ…じゃあまた』





竜「遅せぇよ」

貴『…すまない』

生徒会室を出ると、竜が壁に凭れかかって待っていた。

竜「…さっきのアレ、お前か」

貴『…』

竜「綾小路も馬鹿だよな、あんな大勢の前であんな事言うなんか」

貴『…本当だな。本当に…馬鹿だ』

泣きたくなんかないのに…勝手に涙が出てくる。

竜「…とりあえず、学校出るぞ。ここは綾小路が来てもおかしくねぇ」

貴『((頷』

情けないなぁ…泣くなんて。





貴『ありがとう、竜』

竜「別に。それ食って忘れちまえよ」

目の前にはフルーツがたくさん乗った、美味しそうなパフェ。

((ﾊﾟｸｯ

貴『美味しい…』

竜「だろ？美味いもん食ったら、辛いことなんかどっか飛んでくだろ」

貴『パフェはそんな万能じゃない((』

竜「ﾌｯ…やっぱお前はそうじゃなきゃな」

貴『…竜のくせに生意気』

竜「…っせぇ」
✄--------------- ｷ ﾘ ﾄ ﾘ ---------------✄
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