10/身長がミリ単位で同じってどうよ ページ10
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【晋助視点】
「この身分の低い類人猿がお前に石を投げつけ痛めつけるのであればどうだ?」
───成程な。よく考えたもんだ。
アレ自身が俺に危害を加えれば何かしらの問題が生じ、お家同士でどんな揉め事が起こるか分かったもんじゃねェ。が、無関係の人間を使うことでそれを避ける。
おおかた、あのみすぼらしい二人も金を握らされてここまで来たんだろうが……震えてやがる。
怖ェならそもそも来るな。中途半端なヤロー二人だ。
アレも、俺が痛めつけられる光景を間近で見たいがゆえ顔を出したんだろうがそれじゃその雑巾二枚を使った効果は薄くなる一方。
馬鹿だな、コイツァ空っぽの馬鹿だ。
「………また、まだその目かよ」
わなわなと肩を上下させる馬鹿。
「やってしまえ! あのなりそこないに石をぶつけろ!!」
数歩引き、右手を横一文字に振るうそんな動きが合図となった。
すぐにまぁまぁ大きさのある数個の石が、轟速にも匹敵する勢いで俺の視界に飛び込んできた。
避けようとはおもわなかった。
こんな石ごとき、顔だろうが腹だろうがどこだろうが、ぶち込まれたって今更だと片付けられる。
だが、バカな白猫があんな凶器に倒されるところは見たくもねェ。
「何やってんだバカ猫!」
まるで、俺を護ろうとしているようだった。
ちっせぇ身一つで俺を護れると思ったらしい。
───バカは自由だ。
こんな時だって、俺みたいなのを庇って飛び出しやがる。自由なんだと、自由だからこそ飛び出せるんだぞと、言われてるようでたまらなかった。
「あのーすみません、ボール拾って貰えますか?」
だから、大バカヤローを初めて目にした瞬間の衝撃と言ったら。
「なんだ貴様、ここは遊び場じゃ」
ゴッ、ゴッ、ゴッゴッ!
四つのボール。
粉々に地面に散乱した石の破片。
俺に、バカ猫に牙を向いていた凶器はガラクタと成り果て遥か目下で死んだ。
殺したのは、何の変哲もないボール四つ。
殺したのは、
気だるげで締りのない顔をした、
棒切れを右手に握った、
銀髪の女。
「あ、ここって野球しちゃ駄目な場所でした? おい磯野ー、なんか怒られたんだけどお前謝ってくれよー」
後ろを振り返って、いもしない磯野とかいうやつに愚痴を投げるその女。
「何が磯野だ貴様ァ! 俺の邪魔をしてただで済むとでも思っているのか!!」
「いや、私はただ野球してただけですけど」
11/バカはいいぜ。お坊ちゃん→←09/親方!空から男の子が!
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佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか?これからも頑張ってください!! (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか? (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
白虎 - 続きを読みたいのですが、パスワード教えてくれませんか? (8月16日 23時) (レス) @page3 id: ec81a6d504 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:糸針 | 作成日時:2018年9月21日 23時