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46/ダブると互いに苛々する ページ46

·



「……」
「……」

「あ、いたいた高杉、ヅラ」

「よかった。何事も無かったようですね」


───三分後。

雑貨屋の店内をぐるぐる探し回っていたAと松陽は、ようやく行方不明状態であった二人を見つけることが出来た。

高杉と桂は店前で仲良くフリーズしていた。

まるで、道端に落ちている二つの石のように。

互いの手元を凝視したまま、呼吸を止めていた。


「松陽、あれほんとに何事も無かったのか?」

「……。何事かあったようですね」


問いかけるAの腕の中には正方形の紙袋と、それに頬擦りをする銀の姿があった。

その中身は言わずもがなである。


「おーいお前らー、何を見つめあっちゃってるんですかー。なになに? 目と目が逢ってビリリっときちゃった? 運命感じちゃった? 恋しちゃった?」


やっぱりお前らそういう仲なの?

と、若干のからからい要素を含めつつ二人の顔を見比べるA。

その視線ははたと、二人の手元に向いた。


「………お前ら、マジでか」


その手元には、可愛らしい半透明の袋に包まれた、


「お揃いの鈴をお互いにプレゼントし合うって……マジでか、お前らがそこまで深く愛」

「違う!!!」

「気持悪ぃ想像すんじゃねェ!」


銀色に輝く鈴。だった。

ころりと繋がる赤色の紐はAの瞳の色そのもの。Aと親しい間柄の人間がこの鈴を見れば「あ、なんかAっぽいね」と言うに違いないだろう。


「アラ、Aにそっくりな鈴ですね」


現に今、松陽が言った。


「……高杉」

「……ヅラ」


この二人も「あ、Aみたいな鈴」と思った訳である。そしてダダ被りした訳である。


「俺が先に買った」


高杉が先手を打った。


「いや、俺の方が先に見つけた」


桂が負けじと食らいついた。

───双方無言。

三十秒程睨み合い、全く同じタイミングでAに体を向けた。


「!?」

「んにゃ?」


ギョッとするA。
その様子を穏やかに見守る松陽。
鈴の音に耳を揺らす銀。


「俺が先に渡す!」

「いや俺だ、お前は引っ込んでろ!」

「これだけは譲れん!」

「お、おい、何で喧嘩してるか知らないけどとりあえず落ち着………」


珍しく仲裁に入りかけたAの身体を止めたのは、揉み合いにより明後日の方向へ弾き飛ばされた二つの、二人の鈴。

リンっ───。

澄み渡った鈴の音は地面に叩きつけられ。


バキッ……!!


通り過ぎた飛脚に踏み潰された。


「……」

「……」

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佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
- 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか?これからも頑張ってください!! (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか? (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
白虎 - 続きを読みたいのですが、パスワード教えてくれませんか? (8月16日 23時) (レス) @page3 id: ec81a6d504 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:糸針 | 作成日時:2018年9月21日 23時

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