28/全力で席替えをお願いします ページ28
·
「松陽」
「先生」
「先生!」
A、高杉、桂は声を揃えてこう言った。
「「「全力で席替えをお願いします」」」
初めての授業で真っ先に決められたのが、誰がどこに座るかだった。以前と同じでもよかったのだが高杉と桂の新メンバーが加入した事によりそうもいかず。
結局、くじ引きで決める事になったのだが。
結果が、
「何で俺がお前の後ろなんだ。何で授業中お前の天パを否が応でも見なきゃならねェ」
「んだとコラチビ。私だってお前に見られたくねーよお前一番右の一番前行けよ。座高的にも前の方が見やすいだろ」
「お前達のじゃれ合いを真後ろから見せつけられる俺の身にもなってくれ。あと高杉、お前はもう少し素直になれ。後ろではなく隣に行きむぐぉっ」
「それ以上言うんじゃねェ桂ァ……」
これである。
「困りましたね、公正なくじ引きで決めた結果がこの有様では」
「でも先生、高杉くんは何だか嬉しそうだべ!」
ちよが訛りながらそう言うと、松陽はポリポリと頬をかきながらうーんと笑った。
「そうですね、三人とも嬉しそうです」
「松陽! 私ちよちゃんの隣がいい!!」
「先生! 高杉くんがAの隣に寄り添いたいそぐはぁっっ」
「先生、桂死んじまった」
いちいち挙手をしながらコントさながらのやり取りを続けるバカ三人。
それでも誰一人、冷ややかな目で三人を見る者はいなかった。またバカやってるよーやれやれみたいな菩薩顔で楽しそうな姉の姿を見守っているだけだ。
平和なのはいい事だが、このままでは授業が始まらない。
騒ぐのも程々に。
叱る時は叱らねばならない。
「わかりました。では」
松陽はピッと人差し指を立てて、微笑んだ。
「三人とも廊下に立っていなさい」
───え。
また、三人の声が揃った。
◇◇◇
「あーあー。お前らが騒ぐからだ」
「お前が一番煩かっただろ」
「いや高杉、あの右ストレートは痛かったぞ」
「お前だけめちゃめちゃ別件なんだけど話ややこしくしないでくんない?」
左頬をおさえた桂をバッサリ切ったA。
松陽に言われた通り、三人並んで廊下に立っていた。流石に反省したのか三人の会話は少なく終わる。
「……」
「……」
「……」
静かにしていると、松陽の声がよく聞こえてくるなぁと三人で同じことを思う。
「言っとくけど私が一番風呂だからな」
「……バカか。先生が一番だ」
「三人で入るのではないのか」
「「入れるかバカヤロー」」
828人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか?これからも頑張ってください!! (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか? (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
白虎 - 続きを読みたいのですが、パスワード教えてくれませんか? (8月16日 23時) (レス) @page3 id: ec81a6d504 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:糸針 | 作成日時:2018年9月21日 23時