20/ここが俺のアットホーム ページ20
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「……、よォ。昨日の今日でよく来たな」
「……、もう一度俺と勝負しろ」
傷も癒えぬうちに、そのバカは道場破りに来た。
しかし、この日も銀髪バカの勝利に終わった。
負けても尚何度も何度も立ち上がるバカの姿に銀髪バカに圧倒され続けてきた少年らは微かな希望を抱き始める。
数時間打ち合った後、銀髪バカの「腹減ったから終わり」という一言で終了した。
◇◇◇
「おはよう低杉。今日もコテンパンにしてやるよ」
「うるせェバカ女。今日こそは俺が勝つ」
朝早くに、大きなガーゼ付きのバカ面でまた道場破りに来た。
しかし、この日もバカ女の勝利に終わった。
日に日にバカ女に食らいついてゆく低杉の姿に稽古場に人が増えていく。あの最強無敵のバカ女が今までで一番手を煩わせる相手。
打ち合いのすえ、いつの間にか口論になり「二人を止めろォォォ」という一人の少年の一言によりこの日は終了した。
◇◇◇
「一本──!」
「………っ」
この日、高杉が初めてAに勝った。
少年らの希望の星、高杉はとうとうAの"
実感を掴めずに数秒間瞬くだけであった高杉は、そんな少年らにギョッと目を見張る。
「スゲェェェ! あのAちゃんに勝つなんて!」
「今迄みーんな負かされてきたのに、お前スゲーなぁ!!」
「よくやったよお前! 毎日頑張ってたもんな!」
咲き乱れる花。止まらない花。
暖かな空気に高杉は思わず肩を竦めた。
「なっ、なれなれしくすんじゃねェ! 俺とお前らは同門か!?」
「アラ。違うんですか」
戸惑いから声を荒らげた高杉。
と、そこへ穏やかな声と穏やかな笑顔をぶら下げた松陽がAをそっと起こしつつ現れた。
「毎日、誰よりも熱心にAと打ち合って。毎日、誰よりも傷を負っていたから。ウチに入ったとばかり思ってました」
「っう、」
言葉に詰まった高杉と楽しそうに笑うキョウダイたち。
すると、ずっとフリーズ状態だったAがバッと立ち上がり高杉に人差し指を向けた。
「オィィィお前らァ!! 皆の最強無敵のAお姉ちゃんがこんなチビに負かされてるってのに、何をアットホームな雰囲気に包まれてんだァ!! 少しはお姉ちゃんを労りなさっ」
「そう荒ぶるでない。おにぎりでも握らないか?」
「何で握るだけだよ食わせろてかお前誰!!」
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佑依佳 - すごく良かったです。パスワードを教えてくれませんか (4月15日 10時) (レス) id: 4b4e019a12 (このIDを非表示/違反報告)
LIARPIERROT(プロフ) - こちらの作品のパスワードは作者様が作者ページに掲載してらっしゃいます。確認してからコメントしましょう。 (12月21日 20時) (レス) id: 7068d0a9b2 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 初めて読みました。とても感動して続きを読みたいと思いました。なので続きを読ましていただきたくパスワードを教えてくれないでしょうか?これからも頑張ってください!! (11月19日 15時) (レス) id: fd0a1b2f31 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - 続きを読みたいのですが、パスワードを教えてくれませんか? (10月20日 12時) (レス) id: de6a447dfa (このIDを非表示/違反報告)
白虎 - 続きを読みたいのですが、パスワード教えてくれませんか? (8月16日 23時) (レス) @page3 id: ec81a6d504 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:糸針 | 作成日時:2018年9月21日 23時