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彼女がライターとなって三ヶ月、河村がまず最初に思ったのはAAはとても筆が速い、ということ。
バイトのライターは二週間にひとつの記事を上げてくれたらいいという契約で、特に試用期間なら１ヶ月に一回視聴者さん達に見せても大丈夫な記事が出来ればくらいに思っていたのに。
一週間に一回、短いときには三日に一回でAAは新しい記事を出来上げてくる。むしろ校閲を求められた山森のほうが困っていたのが河村の記憶に新しい。
彼女が理系ということは福良から聞いていたが記事にする分野は広く、切り取る箇所はとてつもなく狭かった。Aはどの分野に対しても表ではなく裏や斜め上から眺めるような独特の視点。
そして、彼女の書く文章はとても面白く、美しく、綺麗だった。
ただ単に上手というわけでなく、人間が持つ陰の感情を上手く表現し、時折ドキッと図星をつく言い回しを使って、毒や皮肉を記事の合間に混ぜ合わせていた。
その危なっかしくも、最高バランスを保っている彼女の才能に対する羨望や嫉妬の類いの感情を河村も抱いた。
記事を何回も何十回も書いてきた河村が誰よりもアイデアが降りてこない産みの苦しみを、完成させるまでの試行錯誤を、完成させたのにボツになる虚無感を、味わっている。
月一の全体の企画会議で。三つの企画案出して、河村の企画は総合プロデューサーの福良に三つともまだOKを出せないと言われてしまうこともある。
そういうとき福良の言ってることも的を射ているし納得もするのだが、自信がありこれは通ると思っていたものにも辛口な指摘を受けると少しだけ嫌になる時もある。
そうやって落ち込んでいるときに、先日テーマがQuizKnockに相応しくないと福良に却下され「えー、それは…」と山森から微妙な反応が返ってきたはずのテーマだったのに。
ちゃんとノルマの記事をこなし、ついでという感じにその没テーマを記事の形にしてきたらしい。
それを読んだ福良に,
「…こんなのボツに出来ないよ…」
と言わしめさせた。
河村自身も「神だ」「天才だ」「すごい」と賞賛を受ける時もあるが、本当の天才は。
絶対にその人にはなれない。絶対に追いつけない。
実力の差、才能の差を見せつけ…同業者のやる気も自信も刈り取っていくような…孤高で孤独な存在が本当の天才であり、まさしくAAみたいなひとであると河村は思っていた。
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わらべ(プロフ) - 和奏さん» とても返信遅くなりましたがコメントありがとうございます！夢主のこと好きって言って貰えてこれ以上ないくらい幸せです！ひとくせある子が好きなので今回の夢主も気に入っていただけると嬉しいです！また読みに来てくださいませ！ (2022年1月23日 20時) (
レス) id: de37784df7 (このIDを非表示/違反報告)
和奏(プロフ) - わらべさんのお話はどれも夢主ちゃんのことが大好きになるので不思議です…更新のたび覆されてワクワクするし最高です〜！これからも応援してます。 (2021年12月31日 23時) (レス) @page44 id: ea0b227b7d (このIDを非表示/違反報告)
わらべ(プロフ) - すみれさん» コメントありがとうございます！好き嫌いが極端に出そうで中々進んで行かない作品ですが、本当に書きたいものを書きたいままやっていました！そこで1人でも好きと言っていただけたので本当に嬉しいです！更新は遅めですが頑張ります！ (2021年10月11日 20時) (レス) id: 34cdc8231e (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - めっちゃ好きです〜更新楽しみにしてます！！ (2021年10月8日 17時) (レス) id: 84d3b4ed7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらべ | 作成日時：2021年4月17日 12時
