『PHYCHO-PASS』偽神を生んだ研究録 (ページ23)

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P 21　8月13日ページ23

あれから数日。
　手術は成功した。

　泡野から脳を取り出し、無事結合が完了した。
　それと同時に人の犯罪指数を定めるシステムの構築も完成した。

　初期の案からは大きく離れてはいるが、むしろこの方が分かりやすいだろう。
　

　私はこの犯罪指数のことを[犯罪係数]と呼び習わすことにする。
　

　この犯罪係数とは何か？
　このページではそれについて説明しよう。

　犯罪係数とは人がその奥底に秘める犯罪意識をシビュラシステムによって暴き出し、数値化したもののことをいう。

　そしてその数値化した犯罪係数で人間をどのように判断するか？
　それも一応定めてみた。

　一般的な善良市民は0～99。

　多少の犯罪願望を抱いている者、実際に窃盗や傷害の犯罪を行った者は100～199。

　殺人、テロ、強盗などをした者は200～300以上の数値が出るように設定した。

　設定したと言っても結局はシビュラシステムの判断に任せるわけだが……
　まぁ大丈夫だろう。

　そしてまだ研究段階ではあるが、シビュラシステムと直接ネットワークによって繋げることのできる端末も作ってみた。

　１つは監視カメラとほぼ同じスキャナー。
　監視カメラと違うのは認識した人物の情報をシビュラシステムに転送し、犯罪係数を弾き出すことができるかどうか。

　そしてもう１つは拳銃型の端末。
　これを人に向けるだけでその人間の犯罪係数を弾き出せるというものだ。
　これを仮に[ドミネーター]と名付けよう。

　研究段階とは書いたが実際は殆ど完成している。
　残る課題はこれを広い地域で使用すると考えるとシビュラシステムの演算能力が間に合わないということ。

　シビュラシステムと大層な名前を与えてはいるが、元は泡野１人の脳。
　処理する情報には限界がある。

　さて……
　この問題をどう解決するか……

　ん？
　泡野がどうなったか？

　それは次のページに書き記そう。

　研究停止まで残り10日