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今までだって、これよりもっとひどいことを経験したことはある。
それに比べたらこんなもの、子供のお遊び程度にしか過ぎない。
一番最初に経験した時のことはよく思い出せないけれど、悲しかったとは思う。
でもそれからは感覚が麻痺したのか、何も感じなくなった。
確かに私って不要なお荷物だよね、と自分でも思うようになったからだ。
最初は自分を悪者にすることで自分以外のみんなが平和でいられるならいいか、と考えたこともあった。
でも、あまりにもエスカレートしすぎて、そんなことを考える余裕もなくなった。
自分のことなのに、いついなくなっちゃうんだろう、なんて他人事みたいに考えていた。
明日を、未来を、自分で保障できなかった。
あの頃は辛かったけれど、悔しくはなかった。
けれど今は同じような出来事に対して、辛いよりも悔しい気持ちの方が遥かに上回っている。
あの時にはいなかった、自分にとって大切な人ができたから。
——佐倉くん。
絶対に絶対に、迷惑なんてかけない。
でも、前みたいに逃げるつもりはない。
それは、佐倉くんがいるから。
佐倉くんに会えなくなってしまうことなんて想像できないし、したくもない。
前の私とは違うんだ、ということを自分で証明して見せる。
——強くなりたい。
そして、自分一人でもゴミ箱から這い上がれるんだということを信じたい。
自分の力を、信じたい。
あとこれは佐倉くんには知られたくないし、知るべきではないことだと思う。
だから、お願い。
このことだけは、私の秘密にさせて。
自分で解決したいし、しないといけないことだから。
——私は、変わりたい。——
——自分を、変えたい。——
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