4. ひみつのはなし。2(木野視点) ページ4
〜マネージャーの部屋〜
のぼせないうちにひとまず風呂を上がり、寝る前の準備を済ませる。
準備が終わり、部屋に戻ってくると、
一足先にAちゃんがベッドに腰かけて水を飲んでいた。
乾かしたての髪はふわふわしていて、まるでお人形さんみたいだ。
私に気がつくとちらりとこちらに目を合わせた。
後の2人がいない間に色々聞いちゃおう!
そう思い立った私はAちゃんの隣に腰掛ける。
「ねえ、Aちゃんは佐久間くんのどこが好きなの?」
内緒話のように耳元でそう囁く。
Aちゃんは少しおどおどと目を泳がせながら髪を触る。
「気になるからには理由があるんでしょ?」
更に詰め寄るとAちゃんは恥ずかしがりながらも考え込む。
……少し考えすぎなくらいに。
「わ……っかんねェ……顔…?
……でもそれだと別にエドガーでもイイってことになるよな。」
「…ふふ、人を好きになるきっかけって案外些細なことだったりするものよ。
佐久間くんと一緒に過ごした時間になにかがあったのよ、きっとね。」
私も円堂くんを好きになり始めたころは色々と悩んだなぁ、と思い出す。
誰かを好きになり始めたらもう止まらない、そう簡単に忘れられないものよ。
最初は怖い印象だったのにこんなにたくさんの表情を見せてくれるようになった。
きっとこれから沢山可愛い表情を見せてくれるんだろうなぁ……。
ぽんぽん、と頭を撫でると少し恥ずかしそうに俯いた。
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作者名:リリィ | 作成日時:2022年9月11日 11時