20. 世界一可愛く ページ20
次の日の朝。
マネージャーの仕事を終わらせて出かける準備を始める。
……何着ていこう。
自分のクローゼットとにらめっこする。
何を……というかレパートリーはほとんどないのだが。
あれこれと悩んでいるとマネージャー三人がやたらニコニコしながら近づいてきた。
「もしかして佐久間先輩とデートですかぁ?」
「そしてどの服を着ていくか迷ってる…って所かしら?」
「わ、私たちも手伝うよっ。」
私が何か返答する前にあっという間に服を着せられ髪を整えられ……。
そしてあっという間に完成してしまった。
全身鏡の前に立たされる。
胸元の開いたクロップドTシャツと黒のプリーツミニスカートは私の物だったが、
ダボっとしたカーディガンとリボンの髪留め、可愛らしいショルダーバッグは私の物ではなかった。
「……コレ誰の…。」
三人の方を見る。
三人は満足そうにうんうんと頷き、笑みを浮かべていた。
「細かい気にしなくていいの!ほら行って行って!!」
色々と聞く前にぐいぐいと背中を押され、部屋を追い出されてしまった。
財布とスマホは―――、
まさか、と思いバッグの中を見ると財布とスマホだけでなく、
ハンカチ、ティッシュ、ハンドクリーム…など色々と入っていた。
こんなに…いつの間に準備していたんだ。
マネージャー達の行動力には度々驚かされる。
…まぁ取り敢えず宿舎の玄関前に行って、そこで佐久間クンに連絡をしよう。
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作者名:リリィ | 作成日時:2022年9月11日 11時