４３． 心の中に。 (佐久間視点) ページ50
Aは特に気にも留めない様子で部屋に入る。
そして俺の隣に座ると持っていたバナナオレを呑気に飲みながらテレビを眺める。
取り敢えず起き上がり、何か話そうと思考を巡らせる。
とりあえず今日の事を誤らなければ、きっと俺のせいでマネージャー陣に
「その…今日の事なんだが――、「今日はありがとな」」
俺が謝る前にAがお礼を言ってくれる。
Aの顔を見ると少し照れ臭そうにこちらに視線を送っていた。
少し安心するが、ふと不動に言われたことが頭に過ぎる。
俺はAを助けることはできなかったんだ。
「…だが俺のせいできっと恥をかいてしまっただろう？
先輩なのに情けないな。」
結果的にAを戸惑わせてしまったのには変わりない。
自分で振り返ってみても先輩として失格だったと思う。
「……でもカッコよかったぜ？」
慰めようとしてくれているのか、本心から言ってくれているのか。
Aは少し照れくさそうに顔を赤らめていた。
その言葉と表情に息が詰まるように苦しくなる。
…この感情は………､自覚しない方がいいものだ。
「……ありがとう。」
自分の気持ちをぐっと抑えて必死に笑顔を作る。
Aは不思議そうに首を傾げていた。
「…じゃあ俺はそろそろ自分の部屋に戻って寝るよ。
Aも早めに戻るんだぞ。」
できるだけ悟られないようにその場を後にしよう。
俺が立ち上がると、突然Aが俺の手を掴む。
驚きAの顔を見ると、Aはじっとこちらを見つめていた。
深い緑色の瞳は電気の光に照らされ澄んで見えた。
頬が少し赤くなっていたのは俺の都合の良い見間違いだろうか。
少しづつ鼓動が早くなっていく、どうか気付かれていないと信じたい。
「ど、うしたんだ？？」
「……やっぱなんでもない、おやすみ。」
俺の問いかけから少し間が空いたあと、少し俯いて手を離した。
「…あぁ、おやすみ」
Aはあの時何を言おうとしていたんだろう。
そんなことを考えてしまってその日の寝付きはあまり良くなかった。
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ここまで見てくださってありがとうございます。
これ以上お話を増やせなくなってしまったので続編を作らせて頂きます。
書きたいことが沢山で内容が中々進まずごめんなさい。
今後ともよろしくお願いします。
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます！ (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ | 作成日時：2022年3月22日 16時
