２５． 行こう？２(佐久間視点) ページ30
Aは口を噤む。
図星だったのだろうか……いや、あれだけ仲良くしていたのにそれは考えにくい。
だがなんでこんなに悲しそうな―――、
「なんか、なんか……、すること思い出したって言って、どっかいっちゃった。」
どうやら、俺が悲しそうだと思っていた表情は拗ねていただけだったらしい。
声色がまさに幼稚園児のそれだった。
「そうだったのか、それは……その…寂しかったな。」
生憎、拗ねている子供に声をかけるスキルは無い。
それとなく声をかける。
我ながら不自然な言葉だ…”なめんな”と怒られるのが目に見えていた。
しかし―――、
「ン……フツーに寂しい。」
あっさりと寂しかったことを認める。
口をとがらせ足をゆらゆらとさせて、本当に幼稚園児のようだ。
普段とは全く異なる姿に思わず呆気にとられる。
「何しに行ったんだかねェ…」
泣きそう、という程ではないがかなり落ち込んでいる。
がっくりと肩を落とし溜息をついた。
「まぁ…不動が何をしているかも気になるが……
Aは残りの時間何をするつもりなんだ？」
俺の問いかけに、相変わらず下を向きながら答える。
「なにも…、一人じゃどこ行っても同じだろ。」
「じゃあ……俺と一緒に行動しないか？
俺も一人で暇を持て余していたんだ。」
俺の言葉に驚いたような顔でこちらを見つめる。
俺の提案はただの思いつきで、他意はなかった。
ただ単純に、お互い何もしないなら一緒に過ごした方が有意義だと思っただけで。
Aは少し考えた後に小さく頷いた。
「ん、じゃあ…まずはどこに行く？」
「ぬいぐるみいっぱい売ってるとこ、行きてぇ。」
………なんかA、だいぶ幼くなってないか？
気持ちが表情に出やすいタイプだということは分かっていたが……
もはやこれは幼児返りじゃないか。
いつもの調子じゃないAに戸惑いつつ、荷物を持つとその店に向かった。
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます！ (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ | 作成日時：2022年3月22日 16時
