23. 幸せに歩み寄る不穏2 ページ28
ソフトクリームを食べ終わった後はいかにも観光地、という場所に出た。
そこには土産物屋が立ち並び、観光客でごった返していた。
「うわ…すっげー、人がゴミみたいにいんね。お祭りみてー」
これからここを通るのか、と思うと気が引ける。
あまりの人の多さに若干引きつつ、はぐれないように手をかたく握った。
「あーウッゼェ…マジでお祭り騒ぎだな。ま、FFIがそれだけ注目されてるってことだろ。」
覚悟を決めて人の波をかき分けながら歩き出す…
だが出口がなかなか見えず、気が遠くなる。
「んあー−−…あ、あそこ…ベンチ開いてる…ちょっと座ろーよ。」
どうにかこうにか人の海を抜け出すとベンチに倒れこむように座る。
そして二人で顔を見合わせると笑い合った。
「多分飛行機が着いたんだろ、暫くすれば幾分か人が少なくなる。
それまではここで休んどこうぜ。」
首元を手でぱたぱたと仰ぎながら言う。
私はついさっき食べたばかりのソフトクリームがもう既に恋しくなっていた。
「……なぁ兄ちゃん、アイス食いたくない?」
恐る恐る問いかける――が、返答はない。
きっと呆れられているんだろうな…と思いつつ兄ちゃんの方を恐る恐る見る。
すると急に両肩を掴まれる。表情はやけに真剣で……。
「兄ちゃ―――、?」
「……悪ぃ、やんなきゃいけないこと思い出した。
待って……いや、残りの時間は好きにしててくれ。」
そう言い残すと、私が何かを言う前に走って行ってしまった。
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リリィ(プロフ) - Kariaさん» コメントありがとうございます、本当に嬉しくて何度も何度も読み返してはニヤニヤしてしまいました。とても励みになります! (2022年3月29日 1時) (レス) id: 5fb9ab7224 (このIDを非表示/違反報告)
Karia(プロフ) - この作品は、今までに見たイナイレの夢小説の中でもトップに入るぐらい好きです。素敵な作品を生み出してくれてありがとうございます! (2022年3月26日 22時) (レス) @page5 id: 03658bccca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2022年3月22日 16時