検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:9,861 hit

005 ページ6

.








紫耀「はい、お待たせしました! 今日のコーヒーです。」






カチャリと目の前に置かれた馴染みのティーカップ。

私は頭を下げ、いつものようにテーブル上の瓶から角砂糖1つとミルク2つを取り出して中に入れた。






「じゃあ…、いただきます。」


紫耀「はい!」







コーヒーに手をかけ口元まで持っていく。

その間、紫耀さんは私の傍らでお盆を胸に抱えて、私が飲むのをまじまじと見ている。


それはもう、彼の得意の子犬のような顔で。






紫耀「どうぞっ!」


「( 飲みにくい…。)」






___コクン、



じわ…と程よく温かい液体が、胸元へ染み込んでいく。





.






「………美味しい。」


紫耀「ほんとですか!?」






食いつくように前のめりで距離をつめた彼にビクッとからだが跳ねた。






「わ、ほ、ホントに!ほんとに美味しいですから…っ」


紫耀「や……ったぁ〜……よかったぁ……ッ」






肩をだらりと落として心底ホッとしてる紫耀さん。


そこまでコーヒーに自信がなかったんだろうか。
…確かにマスターとは味は違うけど、本当に美味しいのに。







紫耀「あっ、そうだ。1杯付き合わせちゃったお礼にこれ食べていってください!」


「…シフォンケーキ?」


紫耀「はい! さっき焼きあがったばっかりなんで!」



「(お菓子なんて作れるんだ…。)」






もしかして、ここに来た時バタバタしてたのはシフォンケーキ焼いてたからだったのかな。






紫耀「はい!どうぞ〜」


「ありがとうございます。」






差し出されたそのお皿には、

綺麗に焼きあがっているシフォンケーキと、ちょこんと添えられたホイップクリーム。

それをぱくりと口に運ぶ。





「…すごい、ふわふわで美味しいです。」


紫耀「よっしゃ!」






僕、そのシフォンケーキだけは得意なんですよ〜!と、にっこり笑った。


…そのふにゃりとした笑顔にどこか和んでしまって、ついふっと口から息が漏れた。






紫耀「あ!笑った!」


「っ、え?」


紫耀「いや、てっきり僕、嫌われてるかと思って…。」







頭を恥ずかしそうに掻きつつ、はは…と力ない笑みで申し訳なさそうな顔をされてしまった。

…いや、今までの私の態度からしてそう思うのは当たり前だ。





『イケメン王子様からしたら私なんて毛ほども興味無いだろう。』


__という勝手な決めつけで彼への態度を蔑ろにして、こんな顔をさせてしまった。


.

006→←004



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (71 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
195人がお気に入り
設定タグ:平野紫耀 , 永瀬廉 , King&Prince   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あき。 - 新作公開、おめでとうございます。おかえりなさい!が合ってますか?笑 平野のイメージぴったりでやっぱり雪乃さんの描くお話は大好きです。引き続き雪乃さんのペースで更新がんばってくださいませ。 (2019年4月1日 18時) (レス) id: 1e1b84a358 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪乃 | 作成日時:2019年4月1日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。