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三十三本目の矢。 ページ35

「豪炎寺くん…お疲れ様。」


「…ああ、Aも。
…なあ、病院に寄っていっていいか?Aが良ければだけど」


「うん、もちろん付き合うよ。話したいことがあったからさ。
……あっ、そうだ!夕香ちゃんに花束持っていこう。
病院の近くにあるお花屋さんに寄ってもいいかな?」


「A…すまないな、ありがとう。」


「ふふ、夕香ちゃんにも豪炎寺くんにもお世話になってたからさ。
今の僕にはこれくらいしかできないし」


「A…。」


「ほら行こう豪炎寺くん、面会時間が短くなっちゃう!
夕香ちゃんが待ってるよ。」


それから、どの色がいいかな?どの色が夕香ちゃんは喜んでくれるだろう。と道中、そんな話や他にも他愛もない話をしながら僕たちは病院の近くにあるお花屋さんに寄った。

オレンジ色やピンク色などで彩られた明るい色の花を選んだ。
そうして僕たちは花束を買い、それを持って夕香ちゃんが眠っている病室へ向かった。


「…夕香、来たよ。それにAも一緒だ。
この花はAが夕香が喜んでくれるかなって、どんな色がいいかなと悩みながら買ってくれたんだよ。…綺麗だな。」


相変わらず、夕香ちゃんはベッドの上で眠っていたままだった。
豪炎寺くんは眠っている夕香ちゃんに向かって、今日あったことを話している。
僕はただ、豪炎寺くんがただ夕香ちゃんに向かって話しているのを隣で聞いているだけ。


「……ごめんな。お兄ちゃん、約束破っちゃったよ。
ごめんな、夕香。」


夕香ちゃんの小さな手をぎゅっと握りながら、そう言った。


それから、何十分かは病室にいた。
病室は静寂に包まれていて、ただ僕らは夕日に照らされていた。

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作品ジャンル:アニメ
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しぐれ(プロフ) - メルさん» ありがとうございます!頑張ります…!!! (2022年8月8日 21時) (レス) id: 62487e5d19 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ(プロフ) - 月夜 黒輝さん» 自分も対になる関係大好きです ヘヘっ!!ありがとうございます…! (2022年8月8日 21時) (レス) id: 62487e5d19 (このIDを非表示/違反報告)
メル - これからの展開が楽しみです!応援してます!頑張ってください! (2022年8月4日 22時) (レス) id: eb7870cb0c (このIDを非表示/違反報告)
月夜 黒輝(プロフ) - ふぉぉぉおおお 良いですね対になる関係、大好物です!更新できる時でいいので頑張って下さい!待ってます!! (2019年3月30日 5時) (レス) id: 7066949ba0 (このIDを非表示/違反報告)
しぐれ(プロフ) - ゆっきーさん» 長らくお待たせしてすみません…!頑張ります! (2018年10月24日 21時) (レス) id: 1d4791c245 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しぐれ | 作成日時:2018年8月25日 21時

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