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裏路地に着いたらすぐに当たりを警戒した。
念の為帳も下ろしておく。
奥に進むと同時に気味の悪い声が聞こえてきた。
目の前の呪霊は僕を視界に入れるとニタリと笑った。
ゴリラのような体格に魚を丸ごと被ったような変な呪霊。
大きさは僕より少し大きいぐらいだった。
その呪霊の腰からは長い尻尾が生えていた。
これは……雰囲気的に1級か特級かな。
戦闘体制をとった僕は呪霊から目を離さなかった。
そしてニタニタと気味悪く笑う呪霊は僕に向かって突進してきた。
僕はそれを交わして指先に呪力を込める。
「……バン。」
そう言葉を放ち、透明の銃弾は呪霊に向かっていった。
もう少しで腹の部分に当たるところで銃弾は呪霊の尻尾ではたき落とされた。
「…………」
そしてそのまま呪霊は僕に向かって尻尾を振り上げた。
咄嗟に横に避けるとさっきまで僕がいた所は尻尾で叩きつけられ大きなヒビがはえていた。
直ぐに体制を立て直したもののまた、足がもつれた。その一瞬の隙を付かれ、呪霊の尻尾が僕の足にグルグルと巻き付き、一気に宙吊りにされた。
片足だけ、ということもありなかなか掴まれた尻尾から抜け出せない。
ギチギチに締められている足は折れてるなんて具合ではないだろう。
多分骨がぐちゃぐちゃになってるんだろうな。
血がドバドバと出てる。
宙吊りになったまま考える。
……あ、待てよ。コイツ今、僕の足を拘束する為に尻尾使ってるし、こんなに近距離なんだから銃弾あたるよね。
うん。
思い立ったが吉日。すぐさま実行する。
「バンッ!!」
難なく当たった。
もしかしてこの呪霊頭弱い…?まぁいいや。
弾があたり、僕を拘束している尻尾が乱暴に離された。
なんとか受身はとれたものの、自身の足を見ると制服が黒色だから分かりにくいけど、黒い制服が赤黒く染まっていた。
足は殆ど動かない。
体を起こして、痛さに震えていた呪霊の首を呪具で掻っ切った。
紫色の血のようなものが顔にかかってちょっと気持ち悪るかったけど任務完了かな。
メールで任務終わりました、とだけ送った。
……今はもう4時30分過ぎ。多分6時前までには帰れるかな。
近くの公園に行って足を洗ってから帰ろう。
もう全く動かなくなった片足を引き摺るようにして呪術高専にもどった。
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終わりの芝生(プロフ) - きゃんでぃべあさん» 夏油くんなら真顔で人の精神余裕で抉ること言ってきそうだなって思ったので……ありがとうございます!頑張ります! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
終わりの芝生(プロフ) - 成瀬さん» ありがとうございます!! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
終わりの芝生(プロフ) - トサカ頭に悪い奴はいないさん» うわぁ!嬉しい!!ありがとうございます!!頑張ります! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
終わりの芝生(プロフ) - 黒猫静さん» ありがとうございます!神だなんてとんでもない笑頑張ります! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 7df2fd8f18 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんでぃべあ(プロフ) - 夏油くんのぶりっ子ちゃんに対しての言葉が面白かったです(笑)ストーリー性めっちゃ好きです!更新頑張ってください! (2021年1月10日 18時) (レス) id: f7948ae81a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:終わりの芝生 | 作成日時:2020年12月30日 13時