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貴方side
葬儀は王族や重臣のみならず、国民も総出で行われた
父上の入った棺が土の中へと埋められていく
手を組み、膝をついて祈りを捧げる
何十年も、この国を、国民を守ってくれた父上がいなくなってしまった
もう父上にはゆっくりしてもらいたい
何も心配せず、後は……
『…私にお任せ下さい。必ずや貴方の意思を継いでみせます』
静かにそう呟いて目を開く
胸元にはチャロアイトの指輪が陽の光で明るみを帯びていた
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─────
shp「A様」
『…何、どうかした?』
葬儀後から降り続く大雨の中、ずっと父の墓石に寄りかかって目を瞑っている
止むことを知らないそれは彼の持っていた傘で遮られる
shp「こんなとこにいると風邪をひきますよ」
『……ねぇショッピ』
shp「はい」
『私が…父上の後を継いでもいいのかな…』
激しい雨音の中、ここにだけは静寂が訪れる
『私なんかで、父上は満足するのかな…』
父には私以外に直系の子孫がいない
王位継承権は今私にあるが、果たして私なんかでいいのだろうか
そう思いながら墓石に手を当てる
shp「A様」
彼はしゃがんで私と目線を合わせる
shp「貴方以外に誰が、前国王陛下の後を継げるんですか。一番長くそばにいらしたのは貴方でしょう?」
ショッピくんにそう言われてもう一度目を瞑る
あぁ、そうだ
どんな重臣よりも、側近よりも
私が一番父のそばにいたんだ
だから
『私がこの国を導きます。ついてきてくれる?』
shp「勿論です、"女王陛下"」
胸に手を当て、ショッピは頭を垂れてそう言った
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そると(プロフ) - ぱずるさん» ぱずるさん、コメントありがとうございます!上手く伝わって感動して頂けて作者としては嬉しいです…次作そろそろ出来そうなのでもう少しお待ちください! (2021年8月13日 12時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
ぱずる(プロフ) - 完結おめでとうございます。紛うことなきハッピーエンドではありませんでしたが、そこもまた良く胸が締め付けられました。とても感動する作品をありがとうございました。これからもそると様の作品を楽しみにしております。 (2021年8月13日 11時) (レス) id: baac44fdeb (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - タユさん» コメントありがとうございます!悲劇の女王、的な感じで書きたかったのでそれが伝わってくれたなら嬉しい限りです!! (2019年9月30日 20時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
タユ(プロフ) - 完結おめでとうございます!本当に感動しました( ; ; )女王が可愛そうだったのと、ショッピ君の立ち位置が凄くいいなと思いました!本当にお疲れ様でしたm(_ _)m (2019年9月30日 20時) (レス) id: 98f6db82b1 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - きのこ(em推し)さん» コメントありがとうございます!zmさん落ち…同じ世界観…!めちゃくちゃいいじゃないですか…!頑張って書いてみます…!! (2019年9月30日 16時) (レス) id: 018c79fc19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そると | 作成日時:2019年8月9日 13時