敵国の総統に恋しちゃ駄目ですか【wrwrd】

4 ページ5

貴方 side

それから数ヶ月後

未だグルッペン様とは会えていない

溜息をつきながら、外交文書を整理していると扉が叩かれる

『はい』

ｶﾞﾁｬ
「A様！！大変や！」

『どうしたの、チーノ』

cn「国王陛下が…倒れられた」

『え？』

からんっとペンが床へと落ちる

父が…倒れた…？

『何があったの…』

cn「まだ原因は分かっとらんらしい。今、寝室で医務官が診てる」

『私も行く』

立ち上がって父の寝室へと急ぐ

階段を駆け上がって一番奥の大きな扉を開く

『父上！！！』

上がる肩を抑えて叫ぶ

目の前には10人の重臣に2人の医務官、そしてショッピもいた

彼らは皆、父上のベッドに向かって跪き頭を垂れていた

『父上の容態は？』

「それが……その…」

『はっきりと言って。お願い』

躊躇う医務官を見かねてか、ショッピが口を開く

shp「亡くなられた。原因すら分かりません」

『嘘……父上！！父上！！』

叫んで父の手を取っても冷たく、力は入っていなかった

流れる涙は止まることを知らず、その夜は一晩中父上の寝室で泣き続けた






気がつけば朝日は昇っていて、部屋は明るい光で満たされていた

『ん…』

上体を起こすと肩から何かが落ちる

『ショッピの、？』

彼の上着に間違いなさそうだ

辺りを見渡すと誰も居らず、父上の亡骸もなくなっていた

暫くぼーっとしていると扉が開いてチーノが入ってくる

cn「A様、国王陛下の葬儀を行います。準備を。」

『…ええ、わかったわ。これをショッピに返しておいて頂戴。お礼の言葉もよろしくね』

cn「はい」


-*- -*- -*- -*- -*- -*- -*- -*--*- -*- -*- -*- -*-

5→←3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す