観音坂独歩編 優しさの代償Ep4 said Heroine ページ10
神社前は参拝客でごった返していた
「あの、大丈夫ですか?」
『っう、は、はい…。いつもと違って押し詰め状態で新鮮です。』
いつもは無花果と初詣に行くけど大抵その場合は
無花果が人払いを重念にし護衛で固められた状態だった、なんて言えない…
「(いつもと違って?)とりあえずはぐれないようにしましょう。えっと、その…、」
『観音坂さん?』
いきなり歯切れ悪くもごもごし始めた
「は、はぐれないように、手を…。」
『あ、え?』
私がその差し出された手の意図を考えてる間に私が手を繋ぐ事を渋っていると勘違いしたのか
顔を真っ青にした
「ああああ、す、すみませんすみません、俺なんかと手を繋ぐのは嫌ですよね、気が利かなくてすみません…!この不躾な手を切り落としてきます…!」
『や、止めてください!別に嫌じゃありませんから!』
私はさっと繋ぐ
『あ、観音坂さんの手暖かいですね。』
「!!す、すみません!手汗酷いですか!?今すぐ洗って消毒してきます!」
『ち、違いますってば!もう、観音坂さん!すぐ謝るのは悪い癖ですよ!』
「す、すみま、」
『ストップです!今日1日謝るのは禁止ですからね!』
「は、はい、すみ…!いえ、何でも、ないです。」
『はい。』
参拝が終わり、境内の屋台をブラブラと見て歩く
「…珠久里さん、随分熱心に参拝してましたね。何か叶えて欲しい事でもあったんですか?」
『…え?』
「い、いや、俺なんかには到底理解が出来ない程崇高な願いとかだと思うんですけど…。」
『そ、そんな大仰な物じゃないです。本当に、平凡な、小さな願いです。』
「…え、それはちょっと気になります。」
『…前から思ってましたけど、観音坂さんって私の事どういう目で見てるんですか?私は至って普通のつまらない人間ですよ?』
「あ、すみま…!」
『(じっ)』
「うぅ、気を悪くさせましたか…?」
『ふふ、少しだけ揶揄っただけですから。』
「珠久里さんって結構意地が悪いですね。」
「…でも願いは気になります。」
『仕方ないですね。私が普通のつまらないOLだという事を証明するために教えてあげましょう。』
『…恋をしてみたかったなぁ、と。』
そう言った私はどんな顔をしていただろう
「俺じゃ駄目ですか。」
観音坂さんが少し怖い程の熱を持った目で言った
「恋をする相手は、俺じゃ駄目ですか。」
あとがき
お前ら此処が何処か分かってんのかーい!
衆人観衆の中だぞー!
過去編Ep1 おはよう非日常→←観音坂独歩編 優しさの代償Ep3 said Doppo
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おこめ(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!ほわぁっ!?こんな駄作を面白いと評価していただいてありがとうございます!ご期待に添えるよう頑張ります! (2019年12月11日 7時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - タイトル見てすっ飛んできました。新鮮なお話でめっちゃ面白いです~!これからの展開が物凄く気になります。更新応援してます! (2019年12月10日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 猫腹さん» コメントありがとうございます!凄く励みになります!頑張りまぁっす!! (2019年12月7日 20時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
猫腹(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く好きです、頑張ってください (2019年12月7日 19時) (レス) id: 437f4e7ef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おこめ | 作成日時:2019年12月5日 23時