過去編Ep1 おはよう非日常 ページ11
珠久里Aはごく普通の家庭で産まれごく普通の生活をしてきた
だがそれはある日を境に一変する
珠久里A齢6にして誘拐された
誘拐された先では酷い扱いはなく
まるでお姫様のような扱いだった
パステルピンクで彩られたあまりにも広すぎる部屋
キングサイズのベッド
お茶をするためのテーブルとチェア
小学生だった私にはどれもこれもが可愛くて夢中になった
でもやはり慣れ親しんだ我が家が恋しくなり
1日で帰りたくなった
私は部屋の外にいるお姉さんに声をかける
−お家に帰りたい、パパとママに会いたい−
意外にもその願いは聞き入れられた
−3日後、貴方をあるべき場所にお返しします−
それを聞いた私は、嬉しくなった
指折り数えて3日待った
そして家に帰る日
大きな黒塗りの車に乗った
意外と家は近かったようで直ぐに着いた
私は車から飛び出し家に入る
−ただいま!パパ、ママ!−
私は玄関にランドセルを乱雑に放り投げ、靴も脱ぎ捨てた
パパとママがいるであろうリビングに入る
そこには
テレビもソファーもキッチンも何一つない空間で
生活感のない部屋だった
私は階段をかけ上がる
これは何かの冗談だ
私を揶揄っているのだと
部屋を一つずつ開け放つ
しかしそこにはリビング同様何もなかった
まるで初めから何もなかった、と必死な私を嘲笑うかのように
私は言い知れぬ恐怖を感じ、ガタガタと体が震え出す
その時、背後に誰かが立つ
−っ、誰?−
後ろを振り返ると
日本人形のようなストレートな黒髪の女性が膝を付き頭を垂れていた
私に対して
−貴方をお迎えに上がりました−
私の家族はもういないのだと告げられたような気がした
−パパとママは?−
−貴方様に父と母なる者はいません−
−嘘だ!−
−貴方様は−−−−に−−−ヒプ−−−マ−−を
分からない分からない!
この人の言ってる事が分からない!
私は普通の一般家庭で産まれて普通の生活をしていただけなのに!
私はそしてまたあのパステルピンクの部屋に戻された
精神が疲れていた私にある少年が話しかける
−飴は好き?俺は好き。一個やるよ−
そうして差し出された飴はピンクの棒飴だった
−大丈夫、君に家族はいない−
−君は捨て子だった−
−それを俺達が拾っただけ−
−何も、心配しなくていい−
ゆっくりと私は眠りに着いた
おはよう非日常
観音坂独歩編 優しさの代償Ep4 said Doppo→←観音坂独歩編 優しさの代償Ep4 said Heroine
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おこめ(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!ほわぁっ!?こんな駄作を面白いと評価していただいてありがとうございます!ご期待に添えるよう頑張ります! (2019年12月11日 7時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - タイトル見てすっ飛んできました。新鮮なお話でめっちゃ面白いです~!これからの展開が物凄く気になります。更新応援してます! (2019年12月10日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 猫腹さん» コメントありがとうございます!凄く励みになります!頑張りまぁっす!! (2019年12月7日 20時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
猫腹(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く好きです、頑張ってください (2019年12月7日 19時) (レス) id: 437f4e7ef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おこめ | 作成日時:2019年12月5日 23時