匂恋。３ (ページ5)

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___ お願い。ページ5

『大丈夫だよ、病人じゃないし(笑)』

「とりあえず、水飲み？」

渡してくれた水を飲んで、
紫耀が背中をさすってくれてるおかげで
気持ち悪さが薄れていく。

『…そういえば、紫耀映画やるんだし
なんかバラエティとかに出たりはするの？』

「ん～まだ公開日まであるし
決まってないな～」

『そっか…』

もし地上波に紫耀が出たら。

沢山の人に紫耀の良さが伝わるのは
嬉しいと思う反面、
余計ファンが増えそうで…
ちょっぴり複雑。

それに…これ以上仕事が増えるのは
紫耀の体も心配。

「…A、俺は大丈夫やから」

『…え？』

私、あからさまに浮かない顔してたのかな？

何に対しての大丈夫なんだろう…

「…じゃあそろそろ仕事行くな？」

『あ、うん。本当ごめんね。
わざわざ有難う』

「Aは今日仕事？」

『ううん。お休み』

「ならゆっくり身体休めててなね」

『…紫耀こそ、無理しないでね？』

「せやから俺は大丈夫やって(笑)」

…さっきの大丈夫は、
身体を心配する私への大丈夫、か…

カバンを持って立ち上がり
部屋を出ようとする紫耀の後ろ姿に、
なんだか寂しさが増して…

『…紫耀待って』

思わず、呼び止めてしまった。

「…どうした？」

『…キス、して？』