匂恋。３ (ページ4)

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___ 不安と安心。ページ4

ドアの方向に身体を向けると…

「あ、A…起きた？」

…え、…嘘…

『…紫耀…？』

…なんで、ここに…？

「一応水持って来たんやけど、
まだ、起き上がれそうにない？」

『…紫耀、なんで？』

「…なにが？」

『…ごめん、私本当に記憶が無くて…
なんで紫耀が私の部屋にいるのかなって…
佐江…友達は？』

記憶がなくなるまで飲むなんて、
初めてだったから…なんか少しだけ怖い。

『紫耀？』

紫耀はベッドの下に座り
ただ一点を見つめている。

返事してくれないって…
私相当なんかしちゃったのかな…？

『しょ…』

「A、ほんま何も覚えてないんやね(笑)
仕事終わって帰ろうとしたら
Aから電話きてさ。
酔ってるって分かったから
俺迎え行ったねん」

『…よく場所分かったね』

「…Aが場所言ってきたんよ」

『友達はいた？』

「…もういなかったよ』

『…それだけ？』

「そう。それだけ」

『…なんだ、…よかった。
相当迷惑かけちゃったのかと思った…』

さっきのはなんだったのだろうと
思わせるくらい、今はとても笑顔の紫耀。

私も、紫耀の笑顔に安心した。

「も～、酔っ払いめ～(笑)」

そう言い、私の頭を優しく撫でる。

『無意識に紫耀に電話しちゃうとか
私相当紫耀が恋しかったんだね…(笑)』

「…そうやなぁ(笑)」

昨日の事、もっと詳しく聞きたくて
また、今度はゆっくりと身体を起こす。

「ちょ、寝てなくて大丈夫？」

だけど、心配して背中を支えてくれる
紫耀を見ていたら、
そんな事もうどうでもよくなってしまった。