匂恋。３ (ページ12)

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___ 別れ。ページ12

だけど…

『体の関係もって何人もと遊んで…
…紫耀は忙しいから会えないって
紫耀を信じて我慢してきたのに…
私は、こんな形で裏切られたんだよ？
嘘はついちゃったけど、
私、紫耀を裏切るような事はしてないもん…』

どうしてだろう。

いくら紫耀がこういう事をしたとはいえ、
私を本当に愛してくれてたのは伝わる。

それは、嘘じゃないんだとハッキリ信じられる。

私も、こんな事が起きてもやっぱり、
紫耀が好きな気持ちは残ったまま。

お互いこんなに愛し合ってて…
あんなに、愛し合っていたのに、
どうしてこんな風になってしまったんだろう。

どこでボタンがかけ間違えちゃったのかな…

「やだよ…
俺、Aがおらな生きていけへん…」

『…そんな事ないよ…(笑)』

私が静かに笑うと
紫耀は、私の肩を優しく掴んで、
そのまま顔を近づけた。

『…紫耀、やだ…』

「…もう、俺に触れられるのも嫌なん？」

『…そうじゃなくて…
どうしても頭に浮かんでしまうの。
紫耀が他の女の子にしてるところを…
…私だけの、紫耀の唇じゃないんだって、
他の子も紫耀のキスを知ってるんだって…』

「せやから気持ちは…」

『私が二日酔いの時、
私紫耀にキスしてって頼んだ事…
…今思うとばかみたい…
佐江とそういう事した後の
紫耀の唇だったんだもん…
…辛いよ、分かってよ…』

長い沈黙が続く。

紫耀といれるのに、こんな寂しくて辛くて
静寂な空間、初めてだった。

そんな中で、先に沈黙を破ったのは…紫耀。

思ってもなかった、残酷な言葉で…

「…俺と別れて、廉のとこいきたいん？」

『…え？』

そんなわけないのに…

まさかの紫耀の問いにびっくりしすぎて…
否定したいのに、言葉が出ない。

「…やっぱり、俺じゃダメやった？」

『…どうしてそんなに廉にこだわるの？
私…本当に紫耀が、紫耀だけが好きなんだよ？』

「じゃあなんで離れるなんて!!」

『…好きだからこそだよ…
今これで全部無かった事にして
付き合い続けても、紫耀の為にもならない。
…ごめんね…』

…私は結局、何も変わってない。

弱いままだ…

逃げる事しか、できないんだ…