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「間違ってなんか、無いですよ」
躊躇いもなく答えを口にした俺に、和也さんは少し驚いたように目を見開いた
「理由を、聞いても？」
「何が間違いだとか、正解だとか。そんなの、いくら考えても無駄だからです。仮に紛争のきっかけがそうだったからといって、投げた小石が転がった先までいちいち気にするなんて、馬鹿げた話ですよ。もしもの話をいくら重ねたって何も変わらないし、後はもう、前を向くしか無いですから」
「恨まないんですか、御両親の仇かもしれないのに」
「恨むなんて、まさか。絶対にあり得ないです。ここまで俺のことを育ててくれて、守ってくれて、沢山愛情を注いでくれて。今もこうして、嘘偽りなく俺と向き合ってくれている。それで憎めなんて、無理な話ですよ。そりゃ、悪意を持って研究所を爆破したとか、本当は嫌だけど罪滅ぼしで仕方なしに面倒見てるとかなら、話は別ですけど」
「ふふ。それこそ、天と地がひっくり返ってもあり得ない事ですね」
「だったら、問題ないです」
ふ、とひとつ息を吐く
これ以上何を聞かされたとしても、俺の答えはもう、随分と前に決まっていたのだから
「翔さんと出逢えて、この孤児院で暮らせて、俺は十分幸せ者です。なかなか面と向かっては言えないけれど・・・ずっと、感謝しか無いです」
「そうですか・・・。うん。やっぱり、聞いて良かった」
教えてくれてありがとう、と柔らかな声
俺も和也さんも、口元には自然と笑みが浮かんでいた
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沢山の野菜が詰まった段ボールを両手に抱えて、孤児院から戻ってきた先生と雅紀さん
先生が前もって呼んでいた送迎車がちょうど到着して、雅紀さんはそのまま荷物を運びに向かう
「道中気をつけてね。また、いつでも遊びに来てよ」
「うん。翔さんも元気で。智にも、よろしく伝えといてね」
「和也、終わったよ。もう、そろそろ行かないと」
あっという間に積み終えて、雅紀さんが戻ってくる
二人は先生としっかりと握手を交わして、そして俺にも向き合うと
「美味しいお茶を、ありがとうね。潤くん」
「さっきは変なこと聞いてごめんね。今日は、君と話せて本当に良かった」
「あのっ」
差し出された手を握り返し、何故かこのまま別れ難くて、衝動のままに二人を引き留める
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しゅり(プロフ) - きよさん» きよさん、最後までお付き合いいただきありがとうございました！ 出来るだけハッピーエンドを迎えられるように、と思っていたので、そう言って頂けて嬉しいです。型破りな自由奔放神父様を感じて頂けてありがとうございます笑 素敵なコメントありがとうございました！ (2021年2月13日 19時) (
レス) id: 9366a89cfd (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - しゅりさん、完結おめでとうございます。アポロ様どうしたらいいか解らなくなってたんですね。ちょっとツンデレ気味？智くんの神父様は、何にも縛られない智くんならではの素敵な神父様なんだろうなと納得です。潤くんも生まれ変わって、みんな幸せで良かったです。 (2021年2月9日 20時) (レス) id: d9af776466 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅり
| 作成日時：2021年1月19日 18時
