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ついでだからと、六等分されただけになっていたケーキも、お皿へ取り分ける
それぞれの目の前にフォークを添えて置きながら、そう言えば、と気になっていた疑問を口にする
「ねえ、先生。もしかしてお客さんって、二人だけだった？カップが五脚あったから、俺、五人分用意しちゃったんだけど」
「ああ、それね。もう一つは潤の分だよ」
「え？」
思いがけない言葉に、最後の一組を置いたところで顔を上げる
「和くんと雅紀はね、仕事の傍らで、紛争被害が大きかった土地の復興活動に携わっているんだ。国の北側、イーリス地方に別荘地があるってことは、潤も知ってるよね？」
「うん」
「二人はそこを拠点に活動してるんだけどね。つい最近、北方の紛争地域でも復興が始まったらしいんだ」
「っ、それって・・・！」
先生は穏やかに微笑みながら、ひとつ頷く
「研究施設も、新しく建て直しが決まったそうだよ。まだ計画段階でしかないけど、現地の調査には、既に何度か同行してるって。良かったら潤も、一緒に話を聞けたらなって思って」
「うん！」
思わず笑顔で返事をすれば、先生や神父様だけでなく、二人のお客さんも微笑ましそうに見つめてくる
それでも、照れくささより興奮の度合いの方が高くて、先生の隣の空いている席に、素直に腰を下ろした
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.
紛争地域の復興は、遅々として進まないのが現状だ
理由としては、瓦礫の撤去や時々紛れている不発弾などの処理が難しいのが一つ
だけどそれは建前に過ぎなくて、本音としては、誰も新興宗教が強く根付いた土地の再興なんて望んでいないのだ
「あの天文学研究所は、国中の優秀な人材が集められていたと聞きますからね。今まで再建の話が上がってこなかった方が驚きですよ」
「潤の両親も、そこで働いてたんだよな？」
「うん。といっても、俺が生まれてすぐに死んじゃったから、周りから聞いた話でしか知らないけど」
「御両親のこと、教えて下さいよ」
「良いですけど、大した話じゃないですよ」
和くんこと和也さんは、神父様とは子供の頃からの付き合いなのだと教えてもらった
檸檬のケーキは和也さんのリクエストで、神父様は大慌てで材料を揃えて作ってきたそうだ
先生は前から俺の両親のことは知っているので、今は夢中でケーキを頬張りながら、二言三言、雅紀さんと言葉を交わしていた
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しゅり(プロフ) - きよさん» きよさん、最後までお付き合いいただきありがとうございました！ 出来るだけハッピーエンドを迎えられるように、と思っていたので、そう言って頂けて嬉しいです。型破りな自由奔放神父様を感じて頂けてありがとうございます笑 素敵なコメントありがとうございました！ (2021年2月13日 19時) (
レス) id: 9366a89cfd (このIDを非表示/違反報告)
きよ(プロフ) - しゅりさん、完結おめでとうございます。アポロ様どうしたらいいか解らなくなってたんですね。ちょっとツンデレ気味？智くんの神父様は、何にも縛られない智くんならではの素敵な神父様なんだろうなと納得です。潤くんも生まれ変わって、みんな幸せで良かったです。 (2021年2月9日 20時) (レス) id: d9af776466 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅり
| 作成日時：2021年1月19日 18時
